医療現場は、保険(診療報酬制度)によって細かく標準化されている面がありつつも、医師の裁量が大きいために、もっとも標準化が遅れている分野のひとつでした。ところが近年では、経営改善のメスが入るようになったほか、電子カルテなどIT化や、各学会が策定する診療ガイドラインの浸透により、標準化の波が押し寄せています… 続きを読む
30軒以上の物件を見て回った。実は当院がある戸塚駅には今まで降りたことがなく、物件を見にきたときにはじめて降りた駅だった。しかし見回ってみると、勤務先であった横浜市立大学病院の関連病院が周囲に何軒かあり… 続きを読む
ところがいざ念願のクリニックを開いてみると、医療行為以外の事務・運営にあたる部分が、想像以上に大変なのに驚いた。もちろん覚悟はしていたが、スタッフのマネジメントや経理、事務処理まで、すべて自分一人で責任を持ってやらなくてはならない。総合病院なら経理などは専門のセクションがあり、別の担当者が担ってくれていた。「今までは恵まれていたんだな」と実感した。… 続きを読む
開業2-3年目に、思わぬところで大きな壁にぶちあたった。長らくこの地で産婦人科をやっていた祖母が亡くなった時に、「地域医療の灯を消してはいけない」との想いがあり、私が開業することになった。けして用意万端ではなかったので、前の職場で実力も気心も知れていた数名に、立ち上げスタッフとして参画してもらった。… 続きを読む
自らの戒めにしている手紙がある。おばあちゃんの患者さんから貰ったものだ。「年寄りの話をいつも根気良く聞いて下さって、有難うございます」という内容で、読んで「はっ」とした。実は私は、おばあちゃんの話を聞いてはいたものの、内心では「まどろっこしいなあ、面倒だなあ」と思って、辛抱していた面があった。外で待ち時間が長くなってイライラしている他の患者さんも気になるし。多分、そんな私の気持ちは、患者さんにも伝わってしまっていたと思う。… 続きを読む