医院経営について、スタッフ確保や患者とのトラブルなど一通りの苦労はあるが、とても印象に残っている反省すべき出来事がある。もう10年以上も過去のことだが、患者さんから匿名でハガキが送られてきた。そこには、日ごろの私の診療態度に対する不満が書かれていた… 続きを読む
別の場所で9年開業していたが、当地にクリニックを移転した。理由は、JRの駅から近い物件だったからということ。単純に物事を決めてはいけなかったと反省している。よほど特別な事情がないかぎり、開業地の移動は元の場所から半径500m以内にしておくべきだった… 続きを読む
開業して26年になるが、来院する女性の傾向が昔と少し変わってきている。晩婚化で妊婦の年齢層が高くなったにもかかわらず、むしろ精神的には幼い女性が増えている印象だ。高齢出産のリスクを理解して、「私は何もわからない。出産は未知の経験」と自覚している患者さんは大丈夫だが、そうではない人も多い。… 続きを読む
ところがいざ念願のクリニックを開いてみると、医療行為以外の事務・運営にあたる部分が、想像以上に大変なのに驚いた。もちろん覚悟はしていたが、スタッフのマネジメントや経理、事務処理まで、すべて自分一人で責任を持ってやらなくてはならない。総合病院なら経理などは専門のセクションがあり、別の担当者が担ってくれていた。「今までは恵まれていたんだな」と実感した。… 続きを読む
医院は歯に関わる医療技術を提供するところだが、同時に接客業でもある。歯科治療を怖がる人は少なくない。だから訪れた患者さんに安心してもらうためにどうしたらよいか、常に心を砕いている。患者さんに安心感を持ってもらう工夫の基盤は、ドクターの腕と、明るく気立てのよいスタッフにある。だからこそ、スタッフ教育は院長の重要な仕事だ。… 続きを読む
スタッフの意識改革は一朝一夕にはいかず、思っていた以上の労力が必要と痛感している。 後述するが、私は徹底した「患者ニーズ」追求志向であり、その結果として保険外診療にも積極的だ。つまり「ある程度お金を出しても、いい内容のサービスを受けたい」患者さんがターゲットであり、ライバルは近隣医院ではなく高級スパやサロンになる。だから、健康保険内での治療が常識となっている患者さんに対して、自費診療の魅力を伝えて、根底から意識を覆す必要がある。… 続きを読む
開業2-3年目に、思わぬところで大きな壁にぶちあたった。長らくこの地で産婦人科をやっていた祖母が亡くなった時に、「地域医療の灯を消してはいけない」との想いがあり、私が開業することになった。けして用意万端ではなかったので、前の職場で実力も気心も知れていた数名に、立ち上げスタッフとして参画してもらった。… 続きを読む
自らの戒めにしている手紙がある。おばあちゃんの患者さんから貰ったものだ。「年寄りの話をいつも根気良く聞いて下さって、有難うございます」という内容で、読んで「はっ」とした。実は私は、おばあちゃんの話を聞いてはいたものの、内心では「まどろっこしいなあ、面倒だなあ」と思って、辛抱していた面があった。外で待ち時間が長くなってイライラしている他の患者さんも気になるし。多分、そんな私の気持ちは、患者さんにも伝わってしまっていたと思う。… 続きを読む
開業してまず驚いたのが、受付スタッフに対してぞんざいな態度をとる人が多いこと。接遇には十分気をつけているので、スタッフの失礼ではないと思う。なかでも保険証の確認については、「何回も見せる必要ないだろう」と、怒り出す人が多い。診察室の中では丁寧なのに、受付にはなぜひどい言葉を浴びせるのか。「日本人は、サービスを受ける側に立つと無礼になる」という印象だ。… 続きを読む
開業して3年間くらいは、スタッフの採用と管理に苦労した。看護師不足に加えて、「土日も診療」でやっていたので、給与水準を高く設定してもなかなか応募がない。やっと決まったと思ったら、電話の受け応えが非常識な人や、受付で私語する人だったこともある。人選や人の使い方については素人であったことが大きいと思うが、何度か入れ替わりがあって、4年目からやっと診療に集中できるスタッフ体制になった。… 続きを読む