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座談会 静脈血栓塞栓症(VTE)の治療における地域連携への取り組み―クリティカルパス作成とその運用―

読了時間:約 19分1秒  2019年12月12日 PM03:00
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提供:バイエル薬品株式会社

座談会
静脈血栓塞栓症(VTE)の治療における地域連携への取り組み―クリティカルパス作成とその運用―

日時
2019年9月12日
場所
シェラトンホテル大阪
司会
松尾 汎 先生(医療法人松尾クリニック理事長・藤田医科大学客員教授)
ディスカッサント
  • 市川 稔 先生(地方独立行政法人市立東大阪医療センター循環器内科部長)
  • 佐藤 信浩 先生(地方独立行政法人市立東大阪医療センター臨床検査技術科科長)
  • 奥田 淳司 先生(おくだ内科医院院長)
  • 三﨑 尚之 先生(みさきクリニック院長)

近年、静脈血栓塞栓症(VTE)の治療選択肢の一つに直接経口抗凝固薬(DOAC)が加わり、DOACのみで治療するシングルドラッグアプローチが可能となった。これにより、患者の状態によっては外来での治療が可能となったことから、病院とかかりつけ医との連携の必要性が高まっている。今回、「VTE地域連携パス」を使用して、連携を実践している先生方にお集まりいただき、その取り組みについてうかがった。

当資材はVTE治療プロトコールを紹介するものであり、適応外の薬剤等の使用を推奨するものではありません。紹介された各薬剤の使用にあたっては、製品添付文書をご参照ください。

VTE地域連携パスで病院とかかりつけ医の役割が明確に

松尾 汎先生
松尾 汎先生

松尾:市立東大阪医療センターと近隣のかかりつけ医の先生方との連携について、お教えいただけますか。

市川:市立東大阪医療センターでは、約1年前からVTE地域連携パスを導入し、地域のかかりつけ医の先生と協同して患者さんの診療にあたっています。現在、パスを使用しているのは十数件です。

パス作成のきっかけとなったのは、地域の整形外科から紹介されて受診した50代の患者さんでした。左下肢痛と浮腫があり、下肢静脈エコーの結果から深部静脈血栓症(DVT)と診断し、入院でDOACを開始して1週間で退院となりました。その後はDOACの処方のために定期的な通院が必要となりましたが、仕事もあって難しいとのことでした。同じころ、他の患者さんからも当院への通院を継続するのが難しいという訴えがありましたので、治療の継続のためには、かかりつけ医の先生のもとで薬を処方していただくことが必要だと実感して、連携パスを作成することにしました。かかりつけ医の先生の施設では実施していない検査もありますので、「検査は当院、ふだんの診療はかかりつけ医の先生」と分担し、お互いに診療の内容を共有する形を理想として、パスの作成を始めました。

以前はVTE治療をかかりつけ医のもとで行うことは簡単ではありませんでしたが、DOACの登場によって地域の開業医の先生のもとでのVTE治療が可能となり、連携の必要性が高まっていたことも、パス作成の理由の一つになっています。

松尾:患者さんの利便性とVTE治療の変化の両方が背景にあるということですね。パスはどのようなものですか。

市川 稔先生
市川 稔先生

市川:こちらが、当院で使用しているVTE地域連携パスです(図1)。ご覧の通り、極力シンプルにしました。病院の勤務医、かかりつけ医の双方から「項目が多いと記入に労力がかかり過ぎる」という声があり、複雑なパスでは機能しないと考えたためです。当院での検査結果のうちパスで共有するのは、血液検査に関しては「Dダイマー」、DOACの使用にあたって必要な「腎機能」、そして「貧血の有無」の3つ、これに加えて下肢静脈エコー所見のみとしました。

パスの運用にあたっては、かかりつけ医の先生が検査の予約を毎回とる必要がないようにしています。まず、当院でVTEと診断したら、約1週間の入院または外来で治療を開始し、1か月目に当院で採血と下肢静脈エコーを行います。この検査日程は当院で退院時に決めて、パスの「検査予約日」に書き込んでおきます。検査翌週の診察日も、退院時に予約をとってパスへの記載を済ませてから、パスをかかりつけ医の先生にお送りします。その後も同様に、当院受診の際に、次回以降の検査と診察の予約を入れておきます。また患者さんにも、患者さん用のパス(図2)をお渡ししています。

(市川 稔先生ご提供)

下肢静脈エコーなどの検査を通じた臨床検査技師の役割

松尾:本日は臨床検査に携わる佐藤先生にもご参加いただいています。市立東大阪医療センターでの下肢静脈エコーについて、ご紹介いただけますでしょうか。

佐藤 信浩先生
佐藤 信浩先生

佐藤:当院では、肺血栓塞栓症(PTE)、DVTの患者数がともに増加しており、VTE関連検査であるDダイマー、下肢静脈エコー検査の件数も増えています(図3)。

下肢静脈エコー検査には、全下肢静脈エコー(whole leg ultrasonography:whole-leg US)とproximal compression ultrasonography(proximal CUS)がありますが、当院では全例、whole-leg USを行っています。DVTの評価では、血栓があった場合はまず、発生部位によって中枢型(近位型)と末梢型(遠位型、下腿型)に分類します。またガイドライン1)に記載の「DVTの病態の変化」に従って、急性期、慢性期などを推測します。血栓の性状からも病期の推定を行います。急性期では血栓は低輝度(黒い)~中輝度で、慢性期になると血栓の輝度が上昇し白っぽく見えます。血栓の中枢側では、PTEのリスクを考慮して、浮遊血栓の有無を必ず評価します(図4)。

当院の下肢静脈エコー検査のスクリーニング手順を図5にまとめました。まず鼠径部、大腿部から血栓の有無を確認します。鼠径部では、pulse wave Dopplerで呼吸性変動を観察して下腹部領域の血栓の有無を確認します。大腿部では、大腿静脈・大腿深静脈合流部を確認してから、膝窩部付近まで短軸で確認します。血栓があった場合、または血栓がないもののPTEを疑う症状や下肢全体の腫脹がある場合には、腹部の観察に移ります。鼠径部、大腿部に血栓がなかった場合、膝窩部、下腿部へと移行していき、血栓があった場合には、血栓の中枢端を確認します。

私は、臨床検査技師もチーム医療の一員として積極的にVTE診療に参加することが重要だと考えています。例えば、下肢静脈エコー検査で中枢型の血栓像を確認した場合、医師にPTE診断のための心エコー検査を提案し、患者を移動させることなくその評価を行うなど、診断に必要な検査を安全かつ迅速に完結させることが大切です。このような意識を技師全員に持ってもらえるよう、技術・学術の向上に努めています。

(佐藤 信浩先生ご提供)

フォローアップの期間を長めに設定するメリット

松尾:パス(図1)を見ると、フォローアップの期間を長めにとってありますね。

市川:はい。例えばDダイマーは、治療開始後1か月ほどで正常化することもありますが、このような場合には改善の指標となります。一方、改善後に再び値が上昇すれば再発を疑うこともできます。パスではこのような変化を捉えられるよう、定期的かつ長期間のフォローを設定しました。

佐藤:血栓が消失していき血流の改善が認められても、長期にわたり壁在血栓が残る患者さんもいますので、パスで設定したフォローアップは役立っていると思います。

市川:そうですね。パス導入から約1年間フォローアップしてきた患者さんについて振り返ってみると、血栓が完全に無くなることのほうが少ない印象です。「Dダイマー正常値=血栓がない」ではないですし、経時的に見ていく必要性を、パスを使ってみてあらためて感じました。

松尾:Dダイマーは二次線溶の指標で、器質化した血栓の場合は変化しませんので、元々ある血栓が少し残っているなら、血流障害も残っていると考えたほうがよいでしょう。そのような部位の経過を追うことは大切だと思います。

市川:また治療で血栓が小さくなっても、足の腫れなどの症状が残る患者さんもいますので、症状の管理という面でも、かかりつけ医の先生と連携して長期的な治療にあたることが有用だと考えています。

われわれが長期的な治療を望んでいても、患者さんが予約を忘れたり、なんとなく来院しなくなったりして治療が中断されてしまうことがあります。それを防ぐために当院では、パスに関する連絡係を地域連携室に担ってもらっています。予約日に患者さんが受診されない場合には、パスを管理している地域連携室の看護師が、かかりつけ医の先生と患者さんに連絡して予約を取り直すようにしています。

三﨑 尚之先生
三﨑 尚之先生

三﨑:実際に当院の患者さんが、下肢静脈エコーの予定日を誤解して市立東大阪医療センターに行かなかった際に、ご連絡いただきました。血栓があり肺に飛んでいないか気がかりだった患者さんでしたので、検査を受けられるように再度手配していただき、安心しました。患者さんが紹介先の病院に行かなくても当院では気づけませんので、パスが順調に動いているか管理してくださる地域連携室の存在は、治療継続に欠かせないと感じました。

見過ごされているVTE発見のために ~紹介の敷居を下げる~

市川:DOACの登場までは、循環器が専門の医師でさえVTEに対する認識はそれほど高くありませんでした。そのためVTEは、整形外科や産婦人科の患者さんのほか、がん患者さんでもよくみられるにもかかわらず、見過ごされていることも多いのではないかと思いました。この状況を変える上では、かかりつけ医の先生に疑わしい患者さんを見つけていただき、当院で検査、治療の導入を行うという流れを確固としたものにしていくことが必要だと思っています。

松尾:確かに以前は、VTEを意識して積極的に患者さんを見つけようとする医師は少なく、見過ごしも今より多かったかもしれません。三﨑先生、奥田先生は、かかりつけ医として、これまでVTEに対する関心はどのようなものでしたか。

三﨑:病院に勤務していたときには循環器が専門でPTE患者さんを診ていましたので、救命の可能性がかなり低い、予防が重要な疾患であることは十分に認識していました。一方、当時は下肢静脈エコーをあまり行っていたかったため、DVTの段階で発見できる機会はほぼなく、結果的に放置されてしまっているDVTが多いのではないかと感じていました。

松尾:開業医の立場も経験されている現在、見過ごされている患者さんを減らすために、何が役立つとお考えでしょうか。

三﨑:まず、患者さんを診てDVTを疑うことが重要だと思いますが、これが容易ではありません。以前、大きな病院で長期間、心不全を診てもらってきた患者さんが当院を受診されたことがありました。「足が腫れていて、少し左右差があるね」と説明されていたとのことですが、心エコー検査を行ってみると、収縮機能はそれほど悪くないのです。一方、念のため測定したDダイマーの値は上昇していました。そのときに、自分も含めて、循環器専門の医師でも、DVTを見逃すことがあると実感しました。

松尾:循環器医ですとPTEは経験しますが、虚血や不整脈に比べて頻度がかなり低いこともあってDVTを思い浮かべづらいのかもしれません。奥田先生はいかがですか。

奥田 淳司先生
奥田 淳司先生

奥田:私も2年前まで病院の循環器内科に勤務しており、PTEの怖さを体験していますので、PTEを発症する手前で発見したいと強く思っています。ただ、元気に通院して来る患者さんでは下肢の浮腫があっても他の原因を疑うことが多くなっています。下肢の外傷などDVTを起こしそうな背景や、下肢の浮腫の左右差があれば、すぐに紹介するつもりでいますが、そのような患者さんはあまりいらっしゃらないのが実情です。

三﨑:私も、開業して10年になりますが、DVTを疑ってすぐに紹介しようと思うような患者さんはあまりいません。

松尾:確かに、すぐに検査や治療が必要だと感じるような患者さんは多くはないですね。ただ、発見されずに見逃されている可能性があるので、それをどう拾い上げるかが課題です。

市川:その課題の解決のためには、当院への紹介の敷居を下げることが有効だと考えています。少し足が腫れているなどの主訴のみでも構わないので、とりあえず紹介してくださいという方針をとっています。

松尾:紹介していいのだろうかと遠慮してしまうよりも、そのほうがよいと思います。実際、紹介にあたっての敷居の高さはどのように感じていますか。

三﨑:私は気軽に紹介しています。肺塞栓は怖いものだというイメージが強いので、疑わしければ検査をお願いしようと思っています。

松尾:PTEの手前で治療できるのが最善ですね。奥田先生はいかがでしょうか。

奥田:市立東大阪医療センターには、敷居の高さを感じることなく受け入れていただいています。ただ悩むのは、私たち開業医がDダイマーを検査する場合です。すぐには結果が出ませんので、Dダイマーの値も分からず緊急性が不明な段階で、どのように依頼するのがよいかという点です。

松尾:エコーやDダイマーの測定のみを依頼するのか、緊急性の判断自体を専門医に紹介という形でお願いするのか。市川先生としては、どうするのがよいとお考えでしょうか。

市川:DVTの緊急性やPTEの有無は、当院でも検査をしないと分かりませんので、少し怪しいと思ったら、エコーなど検査のみの予約より、まず患者さんを紹介いただくほうがよいと思います。その日のうちに当院で、血液検査や下肢静脈エコーの実施、診断までできます。

松尾:臨床的にVTEが疑われれば、市川先生にすぐに連絡してよいということですね。ところで、敷居を下げてエコー検査の件数が増えると、多忙な検査技師の理解を得られにくいこともありそうですが、いかがでしたか。

佐藤:地域医療機関との連携強化は当然のことですので、受け入れ体制を整えられるよう業務改革中です。全員で協力して時間を捻出し、特に地域の紹介患者さん、初診や緊急の患者さんについては、積極的に随時対応しています。さらにVTEの地域連携パスの導入に合わせて、火曜日と木曜日の15時に専用の予約枠も設定しました。今後の状況によっては予約枠を増やしていく予定です。

かかりつけ医でのDOAC処方

松尾:DOACの承認によって、通院によるVTE治療が可能となりました。近年では、DVTだけでなくPTEに対しても、早期退院、外来治療の可能性が検討されています。低リスクの急性PTE患者を対象としたHoT-PE試験2)では、リバーロキサバンによる治療を早期退院後に通院で継続し、その有効性と安全性が検討されました(図6)。その解析結果が最近発表されましたが、主要評価項目である「登録後3か月以内の症候性VTEの再発またはPTE関連の死亡」が発生したのは525例中3例であったと報告されています。このようなデータを参考に、今後、シングルドラッグアプローチが可能なDOACによる外来治療が進むものと思われますが、実地医家の先生方のなかには、VTE治療を自施設で行うことに対してハードルが高いと感じる方もいるようです。三﨑先生は、DOACによる治療を自施設で開始することはありますか。

三﨑:はい。VTEでDダイマーが上がっていたら処方しますね。

松尾:そのような場合、治療はご自分の施設のみで完結していますか。それとも病院に紹介もされますか。

三﨑:やはり紹介はします。

松尾:紹介して、その後は連携して診ていく形ですね。奥田先生はいかがでしょうか。

奥田:今のところ、新たにVTEを発見してDOACを処方したという例はありませんが、中枢側の浮遊血栓などの所見がない患者さんであれば、勤務医時代も外来で処方していましたので、それほど抵抗なく処方すると思います。

松尾:そうですね。軽症から中等症であれば、実地医家でもDOACによる治療を行うことが多くなってきている印象です。ただ三﨑先生のように、かかりつけ医で治療を開始した場合でも、病院と連携して検査も確実に行いながらフォローしたほうがよいでしょう。DOACについては、いつまで続けるのかという問題も出てくるのではないでしょうか。

三﨑:非常に迷う点です。専門医の先生はどうお考えか、聞きたくなる場面です。

松尾:そうですね。病院と一緒に患者さんの治療期間を決めていければよいですね。パスを使用している場合、どのように決めているのでしょうか。

市川:パスを使うのはよいが、薬をいつ止めるのか、どこで減らすのかといった点が判断できないというご意見もあったので、パスを使用している患者さんの場合は、当院から「この量で継続してください」「減量してください」「中止していただいて構いません」のように、当院の意見を具体的に書くようにしています。

図6 HoT-PE試験デザイン

VTE地域連携パス使用のメリットと今後

松尾:VTE地域連携パスの使用開始から1年経過したとのことですが、奥田先生、三﨑先生、これまでを振り返って、どのような感想をお持ちでしょうか。

奥田:パスを利用することで、複数の医療関係者の目が入ることになるので、脱落してしまう患者さんを減らせるという点でメリットは大きいと感じています。また「少し疑わしい」段階でも、市立東大阪医療センターで下肢静脈エコーを行い、VTEであれば経過もしっかり診ていただけるのはPTE予防にも非常に役立っていると思います。

三﨑:私は、紹介時の敷居を低くしてくださっていることに感謝しています。例えば、下肢静脈エコーを自分で行って「異常がない」と思っても、VTEは見逃すと危険な状態になり得る病気なので「本当に異常がないだろうか?」と心配になることがあるのです。そのような場合にもパスで市立東大阪医療センターへ抵抗なく紹介できて、「やはり異常はありませんでした」とご回答いただけるような環境があるのは、非常にありがたいことです。

松尾:お2人とも、パスや連携のメリットを実感されているようですね。では、パスによる連携の今後について、どのようにお考えですか。

三﨑:VTEは、少しずつ認知されてきてはいるものの、誰もが思いつくような病気ではないので、パスの存在自体がVTEの啓発にも役立っていくのではないかと思います。以前に開催された、下肢静脈エコーの勉強会も、開業医への啓発、技術向上に有用でした。

市川:その勉強会は、当院の会議室で、エコー室の技師さんにお手伝いいただいて実施しました。実際に開業医の先生にエコーを当ててもらって、技師さんがレクチャーするという形です。1~2人でも来てもらえたらと思って企画しましたが、かなり需要があったようで大勢の先生方にご参加いただき、大変好評でした。

佐藤:PTE予防のためには、開業医の先生方に定期的にエコーを当てていただくことが重要ですので、その一助になればうれしいです。

三﨑:下肢静脈エコーを行う上でのポイントが分かり、自信が持てるようになりましたので、とてもありがたかったです。

松尾:また、実際にお互いの顔を見て話せる機会にもなり、その後に声を掛けやすくなるという効果もありますね。

奥田:そうですね。エコーについて学ぶ機会が全国的にあるとよいのではないでしょうか。エコー検査のハードルが下がれば、発見されるDVTも増えると思います。そして市川先生のようにパスを導入してフォローの体制も整えていくことで、発見されたVTEに対して適切な治療を提供できるようになります。

松尾:ありがとうございます。本日、みなさまのお話をうかがって、VTE患者さんを見つけだし見過ごさないようにする上で、また、DOACによる治療を行う上でも、かかりつけ医が重要な役割を担うことをあらためて認識しました。病院にとって、VTE診療におけるかかりつけ医との連携は必須だと言えるでしょう。今後、VTE地域連携パスを使った診療がさらに広がっていくことを期待しています。

1)合同研究班参加学会(日本循環器学会など):肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版):2018(http://j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf)(2018年12月10日更新、2019年10月アクセス)
2)Barco S. et al.:Eur Heart J:2019(in press)doi: 10.1093/eurheartj/ehz367
利益相反:本試験は、Bayer AGの支援により行われた。著者には、Bayer HealthCareから講演料、助成金等を受領した者、非財政的な支援などを受けた者が含まれる。

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