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疾患コントロール状況の把握に、蕁麻疹コントロールテスト(UCT)の活用を

読了時間:約 8分12秒  2019年12月04日 PM01:00
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原因のわからない特発性の蕁麻疹、薬物治療で症状コントロール

かゆみや痛みを伴う浮腫が繰り返し出現する蕁麻疹。患者の訴える悩みや辛さに比べ、診察時には症状がみられず、深刻度が把握できないなど、治療方針に迷いを抱える皮膚科医もいるかもしれない。2018年にはガイドラインも改訂され、ますます注目を集める蕁麻疹診療に、患者の症状を把握する新たな評価ツールが登場した。

2018年改訂されたばかりの『蕁麻疹診療ガイドライン2018』1)によると、蕁麻疹の主な病型は、「I.特発性の蕁麻疹」「II.刺激誘発型の蕁麻疹」「III.血管性浮腫」「IV.蕁麻疹関連疾患」の4つ。田中らの2006年の報告では、蕁麻疹患者の7割超が特発性の蕁麻疹で、刺激誘発型は3割未満とされている2)。特発性の蕁麻疹は、原因や誘因なく自発的に膨疹が現れる蕁麻疹で、発症後6週間以内であれば急性、6週間を超えれば慢性と判断される1)。特発性の蕁麻疹治療の基本は、薬物療法を続けることで、症状が治まるのを待つとされている。

症状コントロール状況を客観的に把握する新しい評価ツール「UCT」

慢性蕁麻疹などの皮膚疾患がある場合、患者のQOLや労働生産性が低下しやすく3),4)、症状のコントロールが大切になってくる。しかし、現在の治療で症状をどの程度コントロールできているのかの把握が難しいことも、蕁麻疹診療の課題の一つだ。診察時の問診では、患者の主観的な訴えしか聞き取ることができないため、客観的で簡便な指標が求められていた。これまで、慢性蕁麻疹の症状を把握する評価指標としては、1日の膨疹や掻痒感に点数をつけ、1週間分の合計値で表すUAS75-7)、QOLの障害に関する23の質問に答えることで直近2週間のQOL障害の状態を評価するCU-Q2oL8)が用いられてきた。これらに加えて近年、蕁麻疹や血管性浮腫の状態を後ろ向きに評価するツールとして、蕁麻疹コントロールテスト(UCT)9)が開発され、より簡便な評価が可能となった。

この度QLifeでは、ノバルティスファーマ株式会社の協力のもと、このUCTを患者自身で確認できるウェブサイト(https://www.qlife.jp/jinmashin/)を開設した。蕁麻疹に悩んでいる患者が、主治医に相談する際にこのサイトを利用することが期待される。患者がUCTのセルフチェック結果を持参してきた際には、蕁麻疹の症状をどの程度コントロールできているのかの指標として、ぜひ診療に活用していただきたい。UCTは12点満点で、12点であれば「コントロール良好」、8~11点は「ある程度コントロールできている」、8点未満は「コントロール不良」である。(QLifePro編集部)

1)秀道弘ほか:蕁麻疹診療ガイドライン2018. 日皮会誌. 128(12):2503-2624
2)田中稔彦ほか:アレルギー. 2006;55(2):134-139 ※病型分類は2005年のガイドラインに準拠
3)Itakura A et al.:J Dermatol. 2018;45(8):963-970
4)Murota H et al.:Allegol Int. 2010;59(4):345-354
5)Młynek A, et al.:Allergy. 2008;63(6):777-780
6)Mathias SD, et al.:Ann Allergy Asthma Immunol. 2010;105(2):142-148
7)Zuberbier T, et al.:Allergy. 2014;69(7):868-887
8)Baiardini I, et al.:Allergy. 2005;60(8):1073-1078
9)Weller K, et al.:J Allergy Clin Immunol. 2014;133(5):1365-1372

UCT説明用資料:じんましんコントロールテストとは

提供:ノバルティスファーマ株式会社