予防接種の情報源と決め手、最も多いのは「かかりつけの医師」
予防接種に関して、定期接種・任意接種に関わらず、保護者は情報を知りたいと考えており、任意接種ワクチンに限っても、約半数の保護者が全ての情報を知りたいと考えている。また、半数以上の保護者が予防接種について、医師からもっと詳しい情報を聞きたいと考えており、情報不足感を持っていることが、QLifeが実施した、子どもの予防接種についての保護者を対象とした大規模調査で明らかになった。今回の調査は、調査対象は、調査対象施設で予防接種を受けている未就学児の保護者で6月12日から7月31日まで、小児科等88施設にて、施設ごとに来院保護者にアンケートチラシを配布。回答はインターネット経由で行われた。
定期接種について、99.4%の保護者が「全て知りたい」と回答。任意接種についても、99.8%の保護者が「全て」もしくは「医師が必要と思うものは」知りたいと回答した。また、予防接種の情報源について「かかりつけの医療機関の医師」が最も多く69.9%。次いで、「母子健康手帳」「市区町村の広報・掲示・通知」「かかりつけの医療機関の看護師」の順になった。最も決め手になる情報源についても、「医師」が最も多く59.3%、次いで「友人・家族」「市区町村の広報・提示・通知」の順になった。
予防接種の情報提供に、より医師が大きく介入することが重要
今回の調査結果について、調査を監修した、はしもと小児科(東京都八王子市)の橋本政樹先生は、
お子さんを病気から守る予防接種の情報は、すべての保護者の皆さんにとって重大な関心事です。当院でも、予防接種については、どんな些細な情報でも、しっかりと保護者の方に伝えるようにしています。また、診察の場面だけでなく、待合室やホームページなど、あらゆる場所やデバイスで予防接種に関する情報提供をしています。任意であっても定期接種と同じく、医師の口からしっかりと情報提供を行う。それが保護者の皆さんの安心感につながり、任意接種の接種率の向上につながると考えています。
とコメント。
また、同じく調査を監修した同小児科看護師の伊藤さんは、
先生からは、どの保護者さんに対しても、常に一定の量の情報提供を行いますが、情報のどの部分に不安を感じるかは人それぞれです。私たちは、説明の際に保護者の皆さんの微妙な不安を感じ取り、診察後にフォローアップをするように心がけています。
とコメントした。
多くの保護者が予防接種の情報を医療機関から入手していることに加え、情報収集ならびに接種可否の決定において、医師の意見や勧めが大きく影響しており、定期・任意にかかわらず、予防接種の情報提供に、より医師が大きく介入することが重要であると思われる。
「予防接種に関する保護者の意識調査」調査結果報告書