患者満足度調査を実施する医療機関が増え、特に病院においては、結果をそのままホームページで公開しているところも珍しくない。ところが診療所で実施する場合には、スタッフ体制が充分でないこともあり負担が大きい。
その実態を確認すべく、医科診療所に限定して、「患者満足度調査」の実施状況をQLifeが調査した。それによると、過去3年間に実施したところは1割強にとどまり、「必要だと考えつつも実施していない」診療所が半数にのぼることがわかった。実施していない理由は、「手間がかかる」が圧倒的に多かった。
調査対象: 診療所の理事長・院長・副院長・勤務医
有効回収数:250人
調査方法:インターネット調査
調査時期:2015/8/11 ~2015/8/18
あなたの診療所では、最近3年以内に、「患者満足度調査」を実施しましたか。
「患者満足度調査」を必要と考えつつも実施していない医師(≒診療所)が5割近い。実施しているところは1割強に過ぎない。年代別で見たところ、年代が上がるにつれて実施率が下がることがわかった。なお30~40代は、調査を実施している率も、必要と考えるが実施していない率も共に高く、すなわち「患者満足度調査」に対する関心が最も高い。
あなたの診療所で、「患者満足度調査」を実施する場合に一番重視されることは何ですか。
5割の医師(≒診療所)が「手間」を一番重視していることがわかった。次いで、「回答の質」「費用」が重視されている。年代別で見たところ、若年層ほど「費用」重視派が多く、上の年代ほど「回答の質」を重視する割合が高まる。
なおQ1(冒頭)の回答内容別で見たところ、調査実施している医師は「回答の質」「回答数」を重視し、実施していない医師は「手間」「費用」を重視している割合が高い。両者の間で大きなギャップがあることがわかった。
「患者満足度調査」を実施しないもっとも大きな理由を一つ、教えてください。
「患者満足度調査」を実施していないと回答した医師に、もっとも大きな理由を尋ねたところ、4割の医師(≒診療所)は、「患者満足度調査」を実施しないもっとも大きな理由は、「手間がかかる」ことと回答した。年代別で見たところ、「手間がかかる」の割合が高い傾向には変わりがなく、「手間がかかる」ことへの懸念が、「患者満足度調査」実施にあたり、大きなハードルとなっている、といえる。30~40代の医師は、「やり方がわからない」と回答した割合が他の年代と比べ高かった。
「患者満足度調査」診療所での実施実態に関する調査結果報告書