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てんかん治療の主軸である薬物療法の現状と課題【1/4】正しい診断と適切な治療で発作を止める

読了時間:約 1分21秒  2014年12月22日 AM10:30
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てんかん治療の第一目標は「発作を止めること」。その中心的役割を担うのは薬物療法だ。

日本てんかん学会「成人てんかんにおける薬物治療ガイドライン」では、正しい診断のもと、適切な薬の処方が行われれば、7~8割の患者が発作の不安から解放される、としている。だがここを誤ると、医原性の『見せかけの難治てんかん』を生んでしまうこともある。てんかん治療における治療目標について静岡てんかん・神経医療センター 統括診療部長 久保田英幹先生に聞いた。

てんかん治療の成否を左右する発作型の診断

てんかん治療の成否を左右するのが「発作型の診断」だ。

「多くの場合、実際に目にすることの無い“発作”を患者さんや家族の話を聞いただけで判断しなければならないため、“いかに発作をイメージできるか”がカギを握ります」(久保田先生)

そのためには、患者やその家族に対し。ビデオ等を通じて、さまざまな症状を見てもらい、発作のプロトタイプの引き出しを増やしておいてもらうこと、そして、受診の際にじっくりと患者やその家族の話に耳を傾ける姿勢が大切、と久保田先生は語った。

「丁寧な病歴聴取は、診断に役立つだけでなく、治療目標の共有や信頼関係の構築、治療に対するモチベーションの維持・向上にもつながります」(久保田先生)

てんかん治療の目標はQOLの向上

「薬の処方も、単に発作を止めれば良いというわけではありません」と久保田先生。治療に伴う副作用を可能な限り抑えてQOLを保ち、普通の人と何ら変わりのない生活が送れるようにすることが、久保田先生の考えるてんかん治療の最終目標だ。

「たとえ医師の診断や治療が適切であっても、患者さん自身が病気を理解し、治療に前向きにならなければ望ましい結果は得られません。てんかん治療の目標である“発作のコントロールとQOLの向上」の達成には、病気の知識と服薬の意義とともに、ふくさようとその対処法などを十分に説明し、患者さんの納得を得ることが前提となります」(久保田先生)

(この連載はグラクソ・スミスクライン株式会社提供の「News Letter てんかん 第3便」をもとに、QLifePro編集部が編集、一部加筆したものです)