患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から2007年に、「2012年度までに、後発医薬品の数量シェアを30%以上にする」と閣議決定された後発医薬品使用に関する努力目標。その最終年度である今年、大きく市場が変わろうとしている。
4月に行われた診療報酬・薬価報酬改訂が与える影響と、医薬品メーカーの後発医薬品の使用促進に向けた動きをレポートする。
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後発医薬品使用へ“潮目”が大きく変わった
政府から後発医薬品シェアの努力目標が提示された当初、臨床現場、特に最前線に立つ医師の反応は「微妙」だったというのが正直なところだろう。その理由として考えられるのが、それまでの後発医薬品の流通・製造段階における課題であった「品質管理」「メーカーの情報提供・副作用発現時の対応」「安定供給」の3点だろう。
そんななか、2010年の薬価改定での新薬創出加算の導入を皮切りに、後発医薬品普及へ“潮目”を変えるような動きが見えてきた。メーカー側の動きとして代表的なのが、ファイザーによるエスタブリッシュ医薬品事業部門の発足だ。
エスタブリッシュ医薬品とは、特許期間が満了した「長期収載品」と「後発医薬品」を合わせた総称で、ファイザーは従来から持つ長期収載品に加え、2011年よりファイザーブランドの後発医薬品を発売した。処方元である医師とのコミュニケーションを築いた上で、後発医薬品に新薬メーカーの情報提供・安定供給体制や信頼性を持ち込んだファイザーのように、実績ある先発医薬品メーカーの後発医薬品市場への参入で、臨床現場の不安感は大きく減少すると見られ、すでに薬剤師からは高い期待をされている。さらにこれを後押しするように、2012年4月の診療報酬改定では、一般名処方加算を新設するとともに、後発医薬品使用体制加算を改定。遅ればせながら、後発医薬品普及の道筋がしっかりと整ってきたといえる。
エスタブリッシュ医薬品とは~長期間にわたって使われてきた標準的な治療薬
特許期間が満了した「長期収載品」と「後発医薬品」を両立させ、同じ体制で情報提供を行うのが、ファイザーのエスタブリッシュ医薬品事業部門の特徴だ。エスタブリッシュ医薬品は、長期の臨床使用経験に基づき効果と安全性の評価が確立されており、標準治療に必須の医薬品として重要な役割を担っている。
同社では、新薬基準で提供するエスタブリッシュ医薬品の普及により医療経済に貢献するだけでなく、世界最大の研究開発体制のもと、エスタブリッシュ医薬品で得た利益を新薬の開発費に充てることで、未だに満たされていないニーズに応える新薬の開発・提供を可能にしている。医療費の適正化への貢献と共に、未だ満たされない医療ニーズに応える新薬を開発する。先発医薬品メーカーだからこその事業モデルといえよう。
一人でも多くの患者さんを救うために~ファイザーだからできることがある
ファイザーでは全国に約3,000名のMRを配置。日進月歩する医療の現場において、医療関係者が必要とする医薬品の情報や最新の医薬・学術情報を適切かつ迅速に提供している。加えて、ファイザーで取り扱うすべての医療用医薬品の製品情報を網羅した専門サイト「PfizerPRO」や、後発医薬品に特化した「後発医薬品特設サイト」、領域別の専任スタッフが対応するコールセンター「製品情報センター」など、新薬と変わらない情報提供体制を整えている。
さらに同社では、医薬品の品質基準について、日本の法定基準はもとより、アメリカ(FDA)・ヨーロッパ(EMA)の基準をも全て満たす独自の品質基準を設けているほか、新薬と同等の基準を提供し運用される在庫管理体制など、医薬品の製造から流通におけるほぼすべてのフェーズにおいて、新薬同等の基準を設定している。
日本の医療のために~新薬と同等の体制のエスタブリッシュ医薬品
上記のほかにも医療安全に配慮した、医薬品業界で初めてとなる医薬品包装への工夫を行うなど、日本の医療の質の向上と効率化に貢献を続けるファイザーのエスタブリッシュ医薬品事業は、質の高い医療を安心して受けたいという社会的なニーズに応えるものとなるだろう。
提供:ファイザー株式会社