職員の採用・離職防止に悩む院長にとって、「待遇・福利厚生」をどうするかはおおいに迷うところ。給与水準をなかなか上げられない場合には、金銭面以外での待遇を何かしら工夫する必要がある。他院と比べて、どんな面をどの程度整備していくのが良いのだろうか。「院長」に対するアンケート調査で実態を確認してみよう。(データはいずれもQLife調べ、N=283)
「給料以外の職員待遇」アップ3割も、中身はいろいろ
ずばり「給料以外の待遇」を訊いたところ、3年前と比べて「上げた」医院の方が多く、「下げた」医院の2倍近くにのぼった(全体でそれぞれ27%、12%)。ただし大規模院では19%もの医院が「下げた」と回答しており、何らかメリハリをつけたのか、院長達の試行錯誤の様子が伺える。
収益状態別に見ると、経営好調な医院の方がやはり原資の余裕があるぶん、待遇改善傾向も強かった。
具体的な「給料以外の待遇アップ」の内容には、「休みを取りやすく」「食事会や旅行」が多い。一方で待遇ダウンの具体的内容は、「食事会や旅行の廃止」が多い。
待遇を「上げた」理由や内容例
- 折につけて食事会などを行い、コミュニケーションをはかっている。月に一回製薬会社のMRを呼び、院内勉強会を行っている。また、仕事をしない税理士兼コンサルタントを辞めさせ、専門のコンサルタントを置いた。(小規模/男性 47歳 神奈川県)
- 定期的に食事会などを企画しており、そこで職員の考えていることを話しやすい雰囲気を作って、日頃思っていることを聞き出すようにしている。(小規模/男性 40歳 大阪府)
- オルタネイティブな立場の職員を確保する事によって、休暇や突然のお休みに対応できるようにした。(小規模/女性 47歳 東京都)
- 年2回の食事会、誕生日へのケーキプレゼント、給料日が週末にかかる時は1-3日早く支払うなど(個人規模/女性 52歳 福岡県)
- 月一回のお食事会。年二回の旅行(職員は無料!)。グルメスイーツの購入(職員休憩室用)。(中規模/男性 63歳 茨城県)
- 休みを取り易くした(というより有給休暇がどれだけあるかはっきりさせた)こと。(小規模/男性 44歳 山口県)
- 勤務時間帯の多様化、休暇の増加、モニターとして自費診療を提供、勉強会の増加など。 (小規模/男性 45歳 宮城県)
- 休暇の取得や勉強会の頻度、食事会などの交流会も一定の間隔で行っている。(小規模/男性 59歳 長崎県)
待遇を「下げた」理由や内容例
- 以前は忘年会、職員旅行などを行っていたが、最近はそのような行事に参加する人が少なくなりつつある。そのため数年前から新年会、忘年会、職員旅行を廃止して、一時金を出している。(小規模/男性 54歳 茨城県)
- 忘年会は去年からやらなくなった。お菓子などの差し入れは一切やめた。(小規模/男性 48歳 奈良県)
- パート職員ばかりなので、あまり重要視していない。(個人規模/男性 51歳 兵庫県)
- 福利厚生関係の会の減少や昼食費のカットなど。(小規模/男性 55歳 大阪府)
- 職員旅行の廃止、休暇が取りにくくなっている。 (大規模/男性 36歳 茨城県)