最近、「患者側の意識変化」が目立つ。原因には、景気の影響、マスコミ、医療制度の変化など、いろいろあるだろう。ただ、それらの変化の受けとめ方は、院長によって異なるようだ。
　その実態を確認しようと、QLifeは全国の医科診療所の院長100人にアンケート調査を実施した。その結果は以下の通り。
　※同時同設問で行った歯科診療所の院長50人、動物病院の院長50人のアンケート結果でも、回答傾向はほぼ同じであった。詳しい総合結果は『院長200人アンケート』結果をご覧ください。

「ポジティブ志向」院長は、儲かっている

　医院の患者層の違いによって、院長が一番気になる「患者意識の変化」内容は大きく異なる。そこでアンケート実施時にも、まずは「あなたが最も顕著に感じる『患者の意識変化』は何ですか？」と聞いた上で、その後に「その（あなたが最も顕著に感じる）「患者の意識変化」は、良いことだと思いますか？」と質問した。
　その結果、「患者/利用者の意識変化＝良い」とした院長は、93%が収益「好調」であった。逆に、「悪い」と否定的にとらえる院長の55%は、収益「不調」に苦しんでいる。
　つまり、収益好調院長ほど「変化」を肯定的にとらえる（または、肯定的な変化が最も目につく、あるいは実際に多い）傾向が、顕著であった。

※収益性の「好調/不調」は院長の自己申告。調査票における選択肢記載は、「周囲の類似の医院にくらべて、『好調/不調』だと思う」。よって黒字でも「不調」、あるいは赤字でも「好調」としている可能性もある。なお内訳は、「好調：わからない：不調＝37%：39%：24%」というバランスになった。本記事では「わからない」を除外して集計した数値を記載したが、「わからない」院長も含めて集計すると以下のグラフとなる。

「患者の知識増」を肯定的にとるか、否定的にとるか

　では、具体的に「最も顕著に感じる『患者の意識変化』」は何だろうか。自由記入された内容を分類集計した。
　最も多かったのが「受診控え」であり、これと関連性が強いと思われる「コスト意識」も6位に入っている。次に多かったのが「情報収集・メディア影響・知識偏向」で、これと関連性が強いと思われる「質問増」も8位に入っている。 その次が「権利・自己主張」「サービス要求増」「身勝手」といった内容だ。

　変化を肯定的にとらえている院長（または、肯定的な変化が最も目についている院長）が、その内容として具体的に挙げるのは「情報収集」「医師選び」「質問増」が多い。 逆に、変化を否定的にとらえる（または、否定的な変化が最も目についている院長）が、挙げたのは「受診控え」「身勝手」「権利・自己主張」「サービス要求増」が典型的内容だ。