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月経周期の肌状態の変動、特定のゼリー飲料の有用性を評価-大塚製薬

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2025年08月21日 AM09:10

月経後6日間に5つの成分を含むゼリー飲料を摂取し、肌への影響を検討

大塚製薬株式会社は8月18日、月経周期によって変化する肌の変動に着目した研究を実施し、肌の変動の評価とともに、エクオール、ビタミンD、コラーゲン、カルシウム、マグネシウム含有ゼリー飲料が月経後の肌状態等の向上に寄与する可能性が示唆されたと発表した。この研究は、大塚製薬株式会社によるもの。研究成果は、「日本女性医学学会雑誌」に掲載されている。


画像はリリースより
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月経周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンの変動は、さまざまな身体的影響をおよぼす。研究グループは月経周期に応じた肌の変化に着目。主観的・客観的評価による基礎情報を取得するとともにエクオール、ビタミンD、コラーゲン、カルシウム、マグネシウム含有ゼリー飲料(以下、試験食品)を、月経後に6日間摂取することによる肌への影響を検討した。

今回の研究では、月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる閉経前女性109人を対象に、非摂取期を対照とした非盲検クロスオーバー比較試験を実施。月経開始日をDay1とし、試験食品摂取期にはDay7から連続して6日間、朝食後に試験食品を摂取させた。Day6、Day13および次回月経開始日に、主評価項目として全16項目から成る肌に関する自記式質問紙調査を実施。また、副次評価項目としてDay6、Day13、Day20に肌の客観的評価と血中パラメーターの評価を行った。

月経周期6~13日目にかけて「全体的な肌の調子」向上も、次月経開始日には悪化

研究の結果、非摂取期の自記式質問紙調査より、Day6からDay13にかけては、「全体的な肌の調子」等の3項目で肌状態のスコアが有意に向上し、Day6から次回月経開始日にかけて12項目で有意なスコアの悪化が認められた。

ゼリー飲料が月経後の肌状態向上に寄与の可能性

月経後から6日間試験食品を摂取する摂取期と非摂取期の肌状態を比較したところ、主観的評価では、月経周期6日目から13日目にかけて非摂取期よりも摂取期のほうが有意なスコアの増加が認められた。また次回月経開始時における肌の状態悪化を抑制することが示唆された。また客観的評価では、月経周期6日目から13日目にかけて肌の滑らかさのスコア変化が有意に向上。このことから、試験食品が月経後の肌状態の向上に寄与する可能性が示唆された。

その他、試験食品を6日間摂取することにより、血中25(OH)D3(貯蔵型ビタミンD)が上昇し、摂取終了1週間後においても高値を維持した。日本人女性を対象に20µgという低用量のビタミンD3を6日間の短期介入で評価した報告は同研究が初めてである。

エクオール非産生者では、ゼリー飲料摂取によるレスポンスより顕著に

さらに、エクオール産生者と非産生者ごとの解析では、非産生者の方が試験食品摂取によるレスポンスがより顕著に認められた。エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生み出される成分。女性ホルモンに似た働きをし、女性の健康と美をサポートする成分として注目されている。しかし、全ての人が腸内でエクオールを作れるわけではなく、日本人でエクオールを産生できるのは約半数という報告がある。

月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる女性は、月経後に肌の状態が向上し、黄体期を経た次回月経開始日には悪化を感じていた。試験食品摂取によって、普段の月経後より肌状態に対する実感が向上し、次回月経開始日における悪化を抑制したことから、試験食品が月経後の肌状態の向上に寄与する可能性が示唆された、と研究グループは述べている。(QLifePro編集部)

 

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