医薬品医療機器総合機構(PMDA)審査センターは3日、医薬品等の承認審査における競合品目選定の基本的考え方に関する事務連絡を発出した。申請品目に複数の競合品目がある場合は臨床的位置づけが近い品目から順に選定し、臨床的位置づけが同様の場合は売上高が大きいものから順に選定するとした。申請企業が競合品目の選定を行う際の参考にしてもらいたい考え。
PMDAは、医薬品等の承認審査を行う際に申請者から競合品目の選定にかかるリストの提出を求めているが、今回の事務連絡では競合品目について「医薬品等が新たに市場に提供された時に、当該医薬品等の市場が縮小するなど市場における競合性を有することが想定される製品」と定義した。
市場における競合性は、「効能・効果、薬理作用、組成、化学構造式等の類似性」「構造・原理、使用目的、性能等の類似性」「売上高」等の観点から総合的に検討する必要があるとした。
競合品目は、▽作用機序等が異なっても同じ効能・効果を有している製品▽効能・効果が同一でなくとも一部の効能・効果について重複している製品――であれば対象になり得るとの見解を示した。後発品やバイオ後続品、承認申請段階にある開発中の薬剤も含めて競合品目の選定を行うことも可能とした。
品目選定に当たって、申請された品目が既承認薬等を使用している患者に対し追加して使用することで有効性等を期待するものであれば、当該既承認薬等は申請品目と同じ効能・効果であっても競合品目とはなり得ないなど、申請された品目と既承認薬の間の臨床的位置づけの関係を踏まえて判断するよう求めている。
申請品目に複数の競合品目がある場合は、「申請品目と臨床的位置づけが近い品目から順に選定する」とし、申請品目と臨床的位置づけが同様の品目については「売上高の大きいものから順に選定する」と定めた。
同一の製造販売業者が競合品目となり得る複数の製品を製造販売している場合、申請品目と異なる有効成分の競合品目についてはそれぞれが競合品目となり得るとした。