SSc-ILDの画像評価は専門知識が必要
浜松医科大学は3月25日、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)において、3D-CT画像を利用して測定した「正常肺比率」は疾患進行と関連していること、および「年齢」と「正常肺比率」の2つの指標を組み合わせることで疾患進行を層別化できることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大内科学第二講座の中安弘征医師、鈴木勇三助教、須田隆文教授(当時、現理事・副学長)らの研究グループによるもの。研究成果は、「Respirology」に掲載されている。

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全身性強皮症(SSc)は皮膚や臓器の線維化によって硬くなったり、血管障害が起こったりして、さまざまな症状があらわれる自己免疫疾患。間質性肺疾患(ILD)はSScの30~50%に見られ、肺が硬くなることで十分膨らまなくなり、酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなる。SSc-ILDの治療は、胸部画像の5つのスライス断面におけるILDのある範囲(病変範囲)を評価して決定されるが、この評価方法は画像評価のための専門知識が必要で、また肺全体の病変範囲を評価しているわけではなかった。
3D-CT画像で肺全体を評価、SSc-ILDの疾患進行との関連を検討
そこで、研究グループは3D-CT画像を利用して、「正常肺比率(肺全体の中でILDなど病気のない肺の割合)」を評価し、SSc-ILDの疾患進行との関連を検討した。今回の研究では、浜松医科大学、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院でSSc-ILDと診断された患者のCT画像を用いて、正常肺比率を算出した。正常肺比率の算出は、専用ソフト(SYNAPSEVINCENT)を用いた。
「年齢」と「正常肺比率」が疾患進行の予測に役立つ
その結果、「年齢」と3D-CTを利用して測定した「正常肺比率」が、SSc-ILDの疾患進行の予測に役立つことを見出した。また、下葉ではなく上葉の正常肺比率が疾患進行の予測に重要であることがわかった。さらに、「年齢」と「正常肺比率」の2つの指標を組み合わせることで、SSc-ILDの疾患進行を層別化できることが明らかになった。
専門知識がなくてもSSc-ILDの評価が可能に、予後改善に期待
今回の研究から、3D-CT画像から算出した「正常肺比率」はSSc-ILDの疾患進行と関連していること、そして「年齢」と「正常肺比率」の2つの指標から疾患進行を予測できることが示された。
「3D-CT画像を用いることで、SSc-ILDの画像評価の専門知識がなくとも肺全体を定量的に評価できるようになる。また、疾患進行を起こす可能性が高い患者を判別し、早期に治療介入をすることでSSc-ILD患者の予後を改善させる一助になることが期待される」と、研究グループは述べている。
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