
2026年度で終了予定の同税制に対する改正要望として、一般薬連は、▽対象医薬品の拡大▽OTC購入費から差し引く金額と上限額の変更▽制度の恒久化――を求めた。
現行制度の対象医薬品は、かぜ薬や解熱鎮痛薬など一部のOTC医薬品に限られる。申告条件である年間1万2000円をクリアしやすくなることも踏まえ、消化薬など胃腸薬、生薬製剤を含む鎮咳去痰薬、一般用点眼薬のほか、妊娠検査や新型コロナウイルスなどOTC検査薬にも対象を拡大すべきとした。
また、年間のOTC購入額が3000円未満の人が多数を占める現状から、購入費から差し引く金額を現行の1万2000円からゼロに引き下げ、所得控除の上限額を現行の8万8000円から20万円に引き上げることも求めた。制度継続を求める声も多いとし、医療費控除と同様に同税制の恒久化も主張した。
角谷真司構成員(日本チェーンドラッグストア協会理事)は、「現行税制の複雑さを見直す必要があり、対象医薬品の拡大、控除の上限・下限額の見直し、制度の恒久化を進めてほしい」と賛同した。
宗林さおり構成員(岐阜医療科学大学薬学部教授)も「極めて対象者が少ない税制で使いづらい。医療費控除と両方使えるようにするなど、根本的な変更が必要」と指摘した。
伊藤悦郎構成員(健康保険組合連合会常務理事)は、新型コロナ・インフルエンザのOTC検査薬を拡大対象とすべきとの訴えについて「OTC検査薬は、感染流行期における国民の安心・安全、医療現場への負荷軽減の観点から対象にすべき」と同調した。
他方で、宗林氏は「ここ数年間でも市場規模が十分に拡大しておらず、スイッチ化している品目の利用率も低いのではないかと懸念している。税制が周知されていれば市場が伸びて利用者も増加すると思うが、周知が不足している」と課題を指摘した。