消費者庁は25日、ロート製薬のサプリメント「ロートV5アクトビジョンa」のウェブ広告について、景品表示法に違反する行為(ステルスマーケティング)が認められたとして、再発防止策の実施など同法に基づく措置命令を行った。命令を踏まえ、同社はウェブ広告を削除・修正し、「同法に対する管理に関する体制を強化し、適正な広告表示を遵守する」とコメントした。
同製品は、ルテインとゼアキサンチンを含有する機能性表示食品で、「加齢と共にぼやけて見えがちな色の濃淡・物の輪郭をはっきり識別する力(コントラスト感度)の改善」を謳っている。
2023年9月30日から24年7月29日まで、モニター募集サイトで同製品を第三者に無償提供した上で、SNSのインスタグラムに同社が指示する方針に沿った投稿を行うことなどを依頼していた。
広告内に掲載している画像をクリックしても、投稿本文が非表示となる設定に誤ってしていたため、「♯PR」「♯ロート製薬」といった関係性の明示表現を閲覧者が確認できない状態になっていた。
そのため、消費者庁は、「表示内容全般から消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているとは認められない」として、景品表示法第5条第3号(ステルスマーケティング告示)に抵触すると判断した。
同法に基づく措置命令として、▽今後は同様の表示を行わないこと▽消費者に誤認される恐れのあるものであり景品表示法に違反することを消費者に周知徹底すること▽再発防止策を実施して役員・従業員に周知徹底すること――を同社に求めた。
措置命令を受け、同社は同日付で「措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努める。商品・サービスの品質や安全性に関するものではなく、指摘されたウェブ広告は速やかに削除・修正した」とのコメントをホームページ上に公表した。
再発防止策として、同法に対する管理体制を見直し、社員教育の徹底、掲載前の社内審査など管理体制を強化して適正な広告表示を遵守し、コンプライアンス体制も確立するとした。