電動カーテンで寝室に適度な光を適時に導入すると、朝の目覚めは良くなるか
大阪公立大学は3月13日、寝室に適度な光を適時に導入することで、朝の目覚めが良くなるかを検証し、起床前に20分間自然光を浴びると、目覚めが良くなることがわかったと発表した。この研究は、同大大学院生活科学研究科の大学院生王暁鋭氏(博士後期課程2年)、松下大輔教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Building and Environment」にオンライン掲載されている。

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心地良い睡眠には、光、音、気温など寝室の環境が大切である。LEDのような調整しやすい人工光を使った睡眠研究が一般的であるが、実際の居住環境を再現するには自然光を使った研究が有効と考えられる。そこで研究グループは、電動カーテンで寝室に適度な光を適時に導入すると、朝の目覚めが良くなるかどうかを検証した。
自然光曝露条件をとして、A:起床前20分間の自然光曝露、B:夜明けから起床までの自然光曝露、対照条件としてC:起床前の自然光曝露なしを設定した。そして、住宅の寝室を再現した部屋で、19人の被験者に対して、3つの自然光曝露条件において起床後の眠気、覚醒度、疲労度を測る交差無作為化比較試験を行った。
起床前20分間の自然光曝露、夜明けから起床までの曝露/曝露なし条件より目覚めが良好
その結果、AとBの累積照度および最大照度は同等だったが、AとBの覚醒度と眠気はCより良好で、Aの眠気はBやCより良好だった。また、寝室の起床前の自然光制御は目覚めの質を改善すること、過大または過早の自然光は中途覚醒を促し、目覚めの質を害する可能性を示唆された。さらに、Aは、目覚めを改善する効果的な自然光制御方法の1つであることがわかった。
「人工光を使った理想的な実験室でなく、一般的な住宅寝室の窓設備のスマート化により目覚めの質の向上が図られることは、現代人の多くが抱える睡眠問題の解決に貢献できる。今後は、季節や時刻で変化する自然光を動的に制御し、さらに心地良い目覚めに適した自然光の導入方法を明らかにしたい」と、研究グループは述べている。
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