医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議は7日、ドライアイを効能・効果とする「ジクアホソルナトリウム」(販売名:ジクアス点眼液3%、同LX点眼液3%、参天製薬)と「レバミピド」(ムコスタ点眼液UD2%、大塚製薬)の医療用医薬品2成分について、スイッチOTC化の課題と対応策を議論した。日本OTC医薬品協会は、2成分のスイッチOTC化に「賛成」、日本眼科学会と日本眼科医会は「反対」と異なる見解を表明するなど意見が割れた。構成員も賛否が二分したジクアホソルナトリウムは2回目の意見募集を実施する一方、レバミピドは実施せずに改めて同会議で議論する。
ジクアホソルナトリウムの成分情報シートではスイッチOTCとした際の効能・効果を「眼の乾燥感、異物感」、OTCとしてのニーズを「長期で使用しても特段の問題が感じられないから」と記載。意見募集ではスイッチOTC化に賛同する意見が多数だった。
日本OTC医薬品協会の磯部総一郎理事長は、「かなり安全性が高い医薬品で、既に承認されている精製ヒアルロン酸ナトリウムがそれに近い効能で使われているため、OTC化しないというのはないのではないか」と支持。「ドライアイの患者は国内で2200万人いて潜在患者もいる」とニーズの高さを訴えた。
これに対し、日本眼科学会の参考人は「ヒアルロン酸を使えない人に使う薬剤であり、点眼の差し心地も良くない。治療ガイドラインが普及する中でOTC薬が使われると混乱するのではないか」と反対姿勢を強調。臨床現場ではドライアイの2次医療として処方されている薬であることを踏まえ、OTC化された際の適正使用に懸念を示した。
構成員の意見が二分したため、2度目の意見募集を実施し、その結果を踏まえた上で改めて同会議で議論することになった。
一方、レバミピドについては、寄せられた意見のうち19件が賛成、5件が反対だった。医会・関係学会は「病態による使い分けが診察なしでは無理」など安全性上の理由から反対を表明。磯部氏も「OTC化に賛成」としつつも、涙道閉塞や涙嚢炎など重大な副作用が報告されている点から「安全性をケアすることが必要」と課題があることを認めた。