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【日病薬 武田会長】「外来」「在宅」で評価新設を-次期改定に向け要望検討

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2025年01月27日 AM11:21

日本病院薬剤師会の武田泰生会長は22日、オンラインで開かれた近畿ブロック会議で、2026年度診療報酬改定に向けて、外来での業務拡充や在宅医療への関与について評価を得たい考えを示した。現在、診療報酬改定に向けた要望事項の検討が最終段階を迎えており、2月下旬に開く日病薬臨時総会での討議を経て要望事項を固め、今春頃には厚生労働省に要望書を提出する計画だ。

在宅医療における診療報酬は、薬局薬剤師の調剤報酬として新設された「在宅移行初期管理料」と同様に、病院薬剤師が退院直後などに患者宅を訪問して一定期間、多職種と連携して薬物治療管理に関わることへの評価を想定している。

武田氏は「前例としてはなかなかないが、例えば有床診療所の薬剤師、地域包括ケア病棟や療養病棟の薬剤師の業務拡大という意味では職能を発揮できる場所だと思う」との認識を示し、再入院率低下や薬物治療の質向上に貢献し得ると期待を語った。

外来での業務拡充は、癌領域の薬剤師外来が24年度改定で「がん薬物療法体制充実加算」として評価されたことを皮切りに、他の領域での薬剤師面談も評価を得たい考え。救急外来での薬剤師の業務の評価も求めたいという。

このほか、薬局薬剤師の「調剤後薬剤管理指導料」と同様に、病院薬剤師が退院後に副作用の有無確認などフォローアップを実施した場合の評価の要望も検討している。

武田氏は、「病院薬剤師の職能は調剤から病棟へ、入院患者から外来患者の薬物治療管理へと拡大してきた。さらに薬局薬剤師と協力しながら、在宅患者の薬物治療管理に職能を広げる。そういう方向で診療報酬を進めたい」と語った。

一方、病棟薬剤業務実施加算について、以前は地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟でも算定可能となるよう検討したこともあったが、武田氏はこの方針は改める考えを示した。

これらの病棟での薬剤師業務は包括評価として入院基本料に含まれており、外出しでの個別加算の実現は難しい。同加算では、既存の算定要件の緩和を求める考えだ。

また、この日の会議では、ブロック各委員会の担当者が日病薬に要望を示した。生涯研修委員会の尾上雅英氏(北野病院)は、薬剤部門管理職の人材を育成する講義やグループワークを主体とした体系的なプログラムの構築と実施を要望。武田氏は、前向きに検討すると応じた。

薬剤業務委員会と社会保険委員会の共同提案として中川貴之氏(和歌山県立医科大学病院)は、薬剤師以外へのタスクシフトやシェアを行うための共通の教育・研修プログラム作成を求めた。テキストや研修会等の教育コンテンツ作成だけでなく、教育目的や到達目標、評価方法等の設定なども含めたプログラムの必要性を訴えた。

 

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