電子処方箋システムの運用をめぐって、医療機関と薬局で独自に使用しているハウスコードと電子処方箋で用いるコード(YJコード、レセプト電算コード、一般名コード)との紐付けの誤りにより、意図されたものと異なる医薬品が表示される事例などが19日までに計7件報告された。
7件いずれも実際に患者に調剤を行った事例はなく、健康被害は確認されていないが、厚労省は「実害が生じ得る事例ではあり、万が一の事態を防ぐ必要がある」と判断。医師の意図と異なる医薬品の処方を防ぐため、各医療機関や薬局で使用しているシステムの一斉点検を行った上で厚労省に報告するよう要請した。システムを導入しているものの稼働はしていない施設も対象とし、医療機関は約8000施設、薬局は約3万6000施設としている。
点検内容として、「医療機関・薬局において医薬品マスタを設定する場合は設定誤りがないか必ず確認すること」「特定の医薬品に特殊な事例を除き、ダミーコードを設定しないこと」などを確認する。
厚労省が医療機関などのポータルサイトを通じて状況の周知と対応依頼のメールを送付し、23~24日にメールを確認していない施設に電話等で確認を行い、25日以降対応ができた施設を順次、厚労省のホームページ上で公表するとしている。
システム再開後は、対応済み医療機関として厚労省ホームページで公表した医療機関のみ電子処方箋を発行することとし、対象外の医療機関には、紙の処方箋を発行するよう求めた。
システムベンダーに対しても同様に、提供するシステムのコード仕様について厚労省への報告を求め、結果をホームページ上に公表する。
点検を促す周知期間である20~24日までの5日間、医療機関からの電子処方箋の発行を停止する。停止期間中は紙の処方箋を発行するよう求めたため、薬局は通常通り調剤処方登録が可能となる。また、薬局は点検中も電子処方箋システムに引き続きアクセス可能としている。