国民民主党は4日、薬価の中間年改定廃止や薬価制度の抜本的見直し等を求める緊急申入書を加藤勝信財務相宛てに提出した。中央社会保険医療協議会の改革、最低薬価の見直しなども訴えており、中間年改定の根拠となっている「4大臣合意」の当事者である他の3大臣宛てにも提出する予定だ。
緊急申入書では、中間年改定について、2016年に決定された「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針(4大臣合意)」に基づいて実施されているものの、当時の前提や環境変化を踏まえて廃止し、薬価制度の抜本的見直しと中医協の改革に着手するよう改めて訴えた。
さらに、医療用医薬品の安定供給基盤と創薬の基盤を再構築するため、長年にわたって見直しが行われていない最低薬価を改めること、適正な市場実勢価格に基づく薬価改定が機能不全に陥っているため、商習慣の変革に向けた医薬品流通改善を促すよう求めた。
度重なる薬価引き下げによって製薬企業、CMO、医薬品卸の経営悪化に伴うリストラ拡大や離職者が増加しているとして、脆弱化した人材基盤を強化することや、ドラッグラグ・ロスの是正も合わせて必要とした。
提出後、記者団の取材に応じた同党の田中健衆議院議員は「大変厳しい対応だったが、4大臣合意は法に基づいたものではないので廃止を訴えていきたい」と述べ、厚生労働相、官房長官、経済再生担当相にも同様の緊急申入書を提出する考えを示した。
また、同日に公表された24年薬価調査結果の速報値で平均乖離率が約5.2%だったことを踏まえ、田中氏は「それでも5%以上の乖離率がある。乖離率を踏まえて、すぐに反応して薬価を引き下げることがあってはならず、現在の供給不安下ではマイナス要素でしかない」との見解を示した。