ヘルスケア産業プラットフォームは2日、中間年薬価改定の廃止を求める要請書を厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官の内山博之氏に手渡した。
要請書では、2016年12月の四大臣合意に基づき実施された中間年改定について、デフレからインフレへの移行や停滞する医薬品の流通改善、新薬創出力の低下、ドラッグラグ・ロスの再燃など「方針が決定された当時とは前提や取り巻く環境が大きく変化しており、時代にマッチしていないことは明らか」とし、廃止を要望した。
また、流通当事者が不採算に陥ることのない、安定供給に資する薬価・流通・材料制度を構築するよう提言した。具体的には、急激な物価高騰など安定供給に大きな影響を与える特殊な事情がある場合には不採算が確実に解消されるよう、「即時薬価を引き上げる仕組み」の創設を求めた。
さらに、最低薬価導入当時からの物価変動などを踏まえ剤形ごとに定める最低薬価の引き上げや、薬価上の措置では直接的な恩恵を受けることができない原薬や中間体の製造業者や製造受託機関(CMO)や流通を担う医薬品卸等の実態を調査した上で、薬価以外の対策を講じることも提案した。
イノベーション創出や良好な患者アクセスを実現する薬価・材料制度の構築も求めた。特許期間中の医薬品については、シンプルに価格を維持する運用へと移行し、収載時には現行の類似薬効比較方式と原価計算方式に加え、「わが国の社会課題の解決につながるようなイノベーション」や「世界に先駆けて生み出されたイノベーション」を積極的に評価し得る第3の価格算定方式と加算制度の新設も要望した。