福岡資麿厚生労働相は20日に専門紙との共同会見に応じ、ドラッグラグ・ロス解消に向け「製薬企業、アカデミア、政府が協力して創薬に取り組むエコシステムの構築が重要」との考えを示した。2025年度薬価中間年改定のあり方については、「中央社会保険医療協議会で関係者の意見を聞きながら議論していく」と述べるにとどめた。
福岡氏は、ドラッグラグ・ロス対策について、「官民一体で取り組むべき課題で、研究開発から薬事承認のプロセス、薬価による評価まで各段階で見直しを行っていく必要がある」と言及。「ラグ・ロス解消には創薬のイノベーションを推進する環境整備が重要で、医薬品産業を成長産業と捉え、製薬企業、アカデミア、政府が協力して創薬に取り組むエコシステムの構築を進めることが重要」との考えを示した。
25年度薬価改定に関しては、「大きな課題であり、イノベーション推進と国民皆保険制度持続の両立をどう図るかが重要な観点で、一部医療用医薬品の安定供給に支障が出ている中で国民が必要とする医薬品をどう提供するかだ」と指摘。
安定供給の必要性や物価上昇等を踏まえて国民皆保険制度の持続可能性を考慮しながら改定のあり方を検討するとした政府方針を踏まえ、「中医協で関係者の意見を聞きながら議論していく」とした。
医療用医薬品の安定供給に向けては、増産の働きかけや必要な補助を引き続き行うとし、「感染症の拡大期に医薬品不足が顕在化したことを踏まえ、安定供給のための整備がどうできるか検討を進めたい」とした。後発品の産業構造については、「中長期的な構造改革も視野に取り組む必要がある。5年程度の集中改革期間を設け、金融・財政措置などの企業間連携、再編を後押しする方策を検討したい」と語った。