地域住民に夜間・休日に対応する薬局をリストで公表をすることで「会員数が増えた」と回答した地域薬剤師会が約2割あったことが、薬局団体連絡協議会が実施した調査で分かった。一方、地域薬剤師会の規模や入会率にはバラツキがあり、ホームページや事務所がない地域薬剤師会も見られた。自由記載でも、役員のなり手不足や会員の高齢化・新規入会者の減少、財源確保の問題で自主運営が難しくなっている現状が浮き彫りとなった。
17日に都内で開催したシンポジウムで公表した。同協議会は今回の結果を受け、「地域薬剤師会の再編も積極的に考えていく必要がある」と提言。法人化に向けたサポートや各地域薬剤師会が独自に開発した情報システムとツールの紹介・普及、財源確保のための方策や利用できる助成金の情報提供など強力な支援を行うよう国に求めた。
調査は、499の地域薬剤師会にアンケートを郵送し、29薬剤師会(5.9%)から回答を得たもの。法人化しているのは75%、地域薬剤師会として事務局があるのは79%だった。事務所がない地域薬剤師会は、会長の自宅や会計担当者の薬局を代用していた。薬剤師入会率は20~100%までバラツキが見られた。
6月の調剤報酬改定で行政や地域薬剤師会による地域医薬品提供体制のリスト化が要件となったが、地域住民に対する薬局の夜間・休日等の公表をすることにより会員が増えた薬剤師会は18%で、82%は会員数に変動がなかった。
公表している主体は「地域薬剤師会で実施」「都道府県薬剤師会で実施」が43%と同数だった。公表の形態は「PDF」が36%、「地図入りのウェブソフト」が18%、「エクセル」が14%、「ウェブソフト」が11%となった。その他県薬剤師会のホームページで公開している薬剤師会もあった。
フリーコメントでは、「開局薬剤師が減り、サラリーマン薬剤師が増えると、役員を務めてくれる人材が減少する」や、「勤務薬剤師の会員が少ないために活動の制約が生じている」「事務局の運営や事業経費の問題」「県内における他の地域薬剤師会との規模に差があるため都道府県薬剤師会との連携で意見交換がしにくい」といった声が挙げられた。