錠剤・カプセル剤等の形状の食品に関する安全性を確保するため、消費者庁は3月に「原材料の安全性に関する自主点検および製品設計に関する指針」と「製造管理および品質管理(GMP)に関する指針」を通知として発出した。
一方、通知発出後に小林製薬の紅麹含有製品で健康問題が発覚したことを受け、同様の事案の再発防止に向けて消費者庁の機能性表示食品をめぐる検討会の報告書では、「菌体のような特殊な原材料を用いる場合のリスク管理に関する科学的知見の集積について検討が必要」と明記。そのため、国立医薬品食品衛生研究所研究班が、微生物等関連原材料を用いる食品のリスク管理について検討を行い、検討結果をまとめた。
それによると、微生物等関連原材料を用いた食品は通常の食品と比べて微生物の増殖過程や製造工程に起因する想定外の事象が起きる可能性が危惧されるとしたほか、錠剤やカプセル剤等の食品は色調、香味等から異常が感知できないものも多いとして、製造管理・品質管理により一層の注意が必要とした。
そのため、消費者庁は、GMPに関する指針に記載されている「製品標準書」の改正を提案した。
具体的には、対象食品を製造する事業者が製品標準書を作成する際に参照すべき指針として、微生物等関連原材料指針をGMP指針の別紙として示すことで、適切な製造管理・品質管理を図ることとした。対象食品の種類が多いため、消費者庁のホームページでQ&Aも掲載する。
微生物等関連原材料指針の対象は、GMP指針の対象食品に該当するものとし、実施する内容として、製造管理の一貫として製造に使用する前の原材料が適切な製造工程で製造された原材料であり、同等性・同質性を確認するために原材料の規格等を設定することが必要などとした。
設定した規格の試験検査方法として、原材料の段階で味やにおいの異常、色の違い、見た目で分かる形状の変化等がないか確認が重要などと記載した。