濱村美砂子新社長「2桁成長を遂げていきたい」
アレクシオンファーマで2025年1月より社長に就任する濱村美砂子氏は2024年11月13日に都内で会見を開いた。濱村氏は、同社の2019年から2023年にかけた年平均成長率が20%を超えていることを踏まえ、「競合関係がより厳しくなる中で、同じようにとまではいかないかもしれない」としつつ、「今後も2桁成長を遂げていきたい」と目標を述べた。
濱村美砂子次期社長(アレクシオンファーマ提供)
濱村氏は、同社主力製品である抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤の「ソリリス」(一般名:エクリズマブ)と「ユルトミリス」(一般名:ラブリズマブ)のグローバル最高収益予測が7,500億円以上だとした上で、日本で製品やパイプラインの価値を最大化していくための柱として、①世界の中でも先駆けて日本で承認・上市をしていく、②他の国と比較してもスピード感を持って市場に浸透させ、患者に製品を届ける、③日本のみ、あるいは日本を含む複数国に特化したパイプラインのライセンス契約を結ぶなどの、ポートフォリオの拡充を行う――の3つを掲げた。③のポートフォリオの拡充について濱村氏は「外資系の日本支社としては珍しい戦略だと思う」と説明。「トランスサイレチン型心アミロイドーシスを狙ったパイプラインであるAcoramidisは日本でのみライセンス契約されている」と例を挙げ、「今後も日本だけでライセンス契約できるものがあれば積極的に獲得していきたい」と意欲を見せた。
今後の成長戦略について濱村氏は、▼けん引してきた補体領域と、補体を超えた領域で希少疾患患者のアンメットニーズに応える医薬品をいち早く届ける、▼「承認された治療薬がない」「発症から診断まで長期間を要する」とした“診断ラグ”改善に注力する、▼アストラゼネカグループの一員として人材交流を深めつつ、製品のコラボレーションを進める――と説明した。診断ラグについては、「心アミロイドーシス領域でAI診断支援技術を活用したサポートツールを開発中だ」という。
濱村氏の経歴は以下の通り。
京都大学薬学部を卒業後、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了。武田薬品工業にて、R&D、ポートフォリオマネジメント(⽶国勤務)に従事。同社Japan Pharma Business Unit (JPBU) 事業開発部長、JPBU 神戸支店長を経て、2019 年よりJPBU希少疾患事業部長。2024年7月アレクシオンファーマ合同会社に入社。
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