エーザイは15日、レカネマブ(製品名「レケンビ」)が早期アルツハイマー病治療薬として欧州医薬品庁・欧州医薬品委員会(CHMP)から承認勧告されたと発表した。同剤は、欧州で承認申請し、7月にCHMPから承認否定の見解が出され、同社は再審議を求めていた。今回CHMPは、脳内に浮腫や出血が起こる副作用のアミロイド関連画像異常(ARIA)のリスクの高いApoEε4遺伝子のホモ接合を適応から除外することで、副作用リスクより疾患の進行を遅らせるベネフィットが高くなると判断した。今後、承認勧告から67日以内に欧州委員会が最終判断を行うが、日米欧中の主要市場で承認が出揃う見通しとなった。
CHMPは、「制限された患者集団ではベネフィットがリスクを上回ると結論づけた」と発表し、適応の範囲を説明した。承認勧告された適応は、「ApoEε4ステータスが非保有またはヘテロ接合体である成人におけるアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症の治療」。同社によると、提出していた申請データに基づき、どのような対象患者にすることで副作用リスクを有効性が上回るかといった議論を重ねた。