25年度の中間年薬価改定については、原則として実勢価格に合わせて全医薬品を対象に実施すべきと記載。除外する品目として、安定供給確保に貢献するなど「政策的対応の合理性があるもの」に限定することとした。
25年度改定のあり方として、23年度の前回改定では新薬創出等加算の累積額控除や長期収載品の薬価改定がされなかったとし、既収載品の算定ルールを全て適用すべきとしたほか、価格や薬剤の種類によらず調整幅を一律2%としている現行ルールに関して、現役世代の保険料負担軽減の観点から見直しを求めた。費用対効果評価についても実施する薬剤の範囲、価格調整対象範囲を拡大すると共に、費用対効果評価の結果を保険償還の可否の判断に用いることも検討すべきとした。
新規医薬品の薬価算定方式についても、費用対効果評価の対象範囲を拡充し、薬価の一層のメリハリ付けを強調。特に、新規性に乏しい新薬の薬価収載時の評価方式である類似薬効比較方式IIに関しては、比較対象となる類似薬に後発品を適用することも含め、具体的な見直しを早急に行うよう求めた。
患者本位の治療に向けてはリフィル処方の推進も明記。医療上の問題がないという医師の判断や、リフィル期間中の薬剤師による適切なフォローが大前提としつつ、今後政府を挙げてリフィル処方を短期的に強力に推進していく観点から、早急に的確なKPIを設定すると共に、さらなる利用促進のため必要な政策対応を検討すべきとした。
保険給付範囲のあり方ではセルフケア・セルフメディケーションの推進も打ち出し、国民の利便性向上に資する医薬品のスイッチOTC化を進め、薬局で自ら購入できる医薬品の選択肢を増やしていく必要があると主張した。
さらに、OTC類似薬に関する薬剤の自己負担のあり方も検討すべきと改めて要求。その際、保険外併用療養費制度の柔軟な活用・拡大も合わせて検討を行うべきとし、医薬品の有用性に応じた自己負担率の設定や、薬剤費の定額自己負担の導入について検討を進めるべきとの考えも示した。