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【中医協議会】ケサンラに有用性加算5%-投与期間の短縮を評価

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2024年11月15日 AM10:56

中央社会保険医療協議会は13日の総会で、アルツハイマー病(AD)治療薬「ケサンラ点滴静注液350mg」(一般名:)の算定薬価を350mg20‌mL1瓶6万6948円(1日薬価:8560円)とすることで了承した。18カ月継続投与が必要なエーザイのAD治療薬「レケンビ」(レカネマブ)を比較薬として算定し、12カ月で投与を完了し、投与期間を短縮できる有用性から算定薬価に5%の有用性加算IIを上乗せすることとした。20日に薬価収載する。

ケサンラは高額医薬品に該当することが見込まれるため、中医協薬価専門部会・費用対効果評価専門部会合同会議で個別に薬価算定方法を検討した。

同日、総会前に開催された合同会議では、薬価収載時の対応について通常の算定方法により算定し、補正加算は既存のルールに従って評価することなどが了承された。

薬価は、レケンビを比較薬に類似薬効比較方式Iで算定。市場規模予測は、ピーク時の10年目に投与患者数が2万6000人、予測販売金額は796億円とした。

ケサンラの添付文書では、「投与期間を原則18カ月間とした上で、投与開始後12カ月を目安に行われる評価でアミロイドβプラーク除去が確認された場合は投与を完了する」とされていることから、有用性加算IIを適用することが適当と判断した。費用対効果評価の該当品目となる。

レケンビと同様、最適使用推進ガイドラインに基づき使用される。投与開始に当たって禁忌に該当しないことの確認や認知症のスコア評価、アミロイドβ病理を示唆する所見の確認など、患者要件を満たしているかを確認する。

また、有効性の確認として6カ月に1回臨床症状の確認を行い投与継続の可否を判断するほか、投与後12カ月を目安にアミロイドPET検査などを実施し、アミロイドβプラークの除去を評価し、同剤投与終了の可否を検討する。

投与施設は、ADの診療に関連する学会の認定を受け、軽度認知症障害の診断や治療など一定の臨床経験のある医師が治療の責任者として、常勤で複数人配置されていることなどを満たす必要がある。

上市後の費用対効果評価で価格が引き上げとなる場合には価格調整後の上限は全体の110%、価格が引き下げとなる場合には調整後の下限は価格全体の85%とする。

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