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イプタコパン、C3腎症対象の第3相試験でタンパク尿減少を1年後も持続-ノバルティス

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2024年11月11日 AM09:30

C3腎症の根本的原因である補体第二経路を標的とする経口薬

ノバルティス ファーマ株式会社は11月7日、経口補体阻害薬の「」について、C3腎症を対象とした第3相APPEAR-C3G試験において臨床的に意義のある結果が1年時点でも持続したことを示したと発表した。詳細な結果は、米国腎臓学会(ASN)Kidney Week 2024で発表された。

C3腎症は進行性の超希少腎疾患で、主に小児および若年成人で初発する。毎年、全世界で100万人あたり約1~2人が新たに膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)に含まれるC3腎症と診断される。免疫系の一部である補体第二経路の過剰活性化により、腎糸球体にC3タンパク質が沈着する。そして、炎症および糸球体損傷が誘発され、タンパク尿、血尿、および腎機能低下が引き起こされる。

イプタコパンは同社で開発され、(PNH)の成人患者の治療薬として2023年12月にFDAの承認を受けている。また、原発性のIgA腎症の成人患者のタンパク尿減少を適応で2024年8月にFDAの迅速承認も受けている。イプタコパンは、、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)、ループス腎炎(LN)など、幅広い希少腎疾患を対象に研究が進められている。これら試験では、適応の有効性および安全性プロファイルを評価し、規制当局への申請の裏付けとなる。

イプタコパンは、補体第二経路のB因子を標的として阻害する唯一の経口薬であり、FDAが承認する最初のC3腎症の治療薬となる可能性がある。C3腎症に対する承認申請はEU、中国および日本で完了しており、米国では2024年末までに行う予定としている。

投与14日時点からタンパク尿減少、有害事象の大部分は軽度~中等度

APPEAR-C3G試験は、C3腎症患者を対象にイプタコパン(200mg)の1日2回経口投与の有効性および安全性を評価するための第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験。成人患者が支持療法に加えてイプタコパンまたはプラセボに1:1の割合で無作為化された6か月間の二重盲検投与期、それに続いて(二重盲検投与期にプラセボを投与された患者を含め)全ての患者にイプタコパンを投与する6か月間の非盲検投与期で構成されている。二重盲検投与期の主要評価項目は、プラセボと比較したイプタコパンにおける24時間蓄尿による尿タンパク/クレアチニン比(UPCR)のベースラインから6か月時点までのタンパク尿の減少だった。

12か月間の結果では、支持療法に加えてイプタコパンを投与した場合、イプタコパンによる治療が臨床的に意義のあるタンパク尿の減少をもたらし、投与14日時点の早期から減少が認められ、12か月時点でも持続していたことが確認された。同様に、同試験の非盲検投与期間においてイプタコパンに切り換えた患者にもタンパク尿の減少が認められた。さらに、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下は事前規定された探索的分析の結果に基づき、イプタコパン投与前の急速な低下と比較して、イプタコパンの投与開始後に改善したことが観察された。

また、12か月の試験期間中に試験治療下で発現した有害事象(TEAE)の大部分は軽度~中等度で、死亡例、髄膜炎および/または髄膜炎菌性敗血症はなく、TEAEによる中止もなかった。

University of Iowaの小児腎臓病学の教授で、同試験の共同研究者であるCarla Nester, M.D., M.S.A., F.A.S.N.は、以下のように述べている。「今回のデータにより、6か月時点で見られた腎臓に関する検査所見に対する臨床的に意義ある効果が再確認され、心強く感じている。C3腎症を治療する唯一の経口補体阻害剤として、イプタコパンはこの疾患と共に生きる人々の新たな希望となる可能性がある」。

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