小・中・高の患児の保護者400人が対象
サノフィ株式会社は11月7日、中等症以上のアトピー性皮膚炎症状を有する子どもの保護者(20代~50代、男女400人)を対象に「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施し、その結果を発表した。
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アトピー性皮膚炎は病態理解が進み、ここ数年で大きく治療環境が変わってきている。小児アトピー性皮膚炎治療においても、これまで小児に適応を持つ分子標的薬は限定的だったが、2023年9月に生後6か月以上に適応を有する分子標的薬が登場したのを皮切りに、患者に対する治療選択肢が広がり始めている。
調査は、疾患に対する認識、治療実態、および分子標的薬を含む治療に対する認知や考えについて、理解を深めることを目的として、2024年6月11~23日に、インターネット調査として実施された。対象は中等症以上のアトピー性皮膚炎症状がある、小学校低学年の子どもの保護者100人、小学校高学年の子どもの保護者100人、中学生の子どもの保護者100人、高校生の子どもの保護者100人の計400人。あてはまる子どもが複数の場合は通院頻度が高い子どもについて回答する形式とした。
調査における中等症以上の定義は、POEMスコア8点以上、もしくは医師から言われている重症度が中等症以上のいずれかを満たす場合とした。POEMスコアは、25~28点が最重症、17~24点が重症、8~16点が中等症、3~7点が軽症、0~2点が消失・またはほぼ消失となる。
子どものアトピー性皮膚炎発症は「自分のせい」と思っている保護者66.8%
今回の調査結果では次のようなことが明らかになった。子どものアトピー性皮膚炎発症について、「自分のせい」や「申し訳ない」と思っている保護者は66.8%で、自身にもアトピー性皮膚炎の診断歴がある場合では、88.9%が「自分のせい」「申し訳ない」と思っていることがわかった。また、子どもがアトピー性皮膚炎と診断されたときの気持ちについての設問では、「やっぱりアトピー性皮膚炎だったかと思った」が67.8%で最多だった。
約9割の中等症以上の小児患者の保護者が「分子標的薬」があることを知らない
約9割の中等症以上の小児患者の保護者が、小児でも使用できるアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法「分子標的薬」があることを知らないと回答していたことも判明した。さらに、治療サポートに関する設問では、一番大変だと感じることが、子どもの年齢があがると「直接、治療に介入する大変さ」から「治療を促す難しさ」に変化することもわかった。治療サポートの1日平均時間を尋ねたところ、アトピー性皮膚炎の状態が悪化しているときは44.3%が11分以上、状態が落ち着いているときでも25.2%が11分以上を充てていることがわかった。
調査結果について、岐阜大学医学部附属病院小児科准教授/同大医院アレルギーセンター副センター長の川本典生氏は次のように述べている。「今回の調査で、9割近い保護者が新しい治療法を知らないとのことったが、もっと広く知っていただけるとよいと思う。自身に合う治療方法が見つかれば、子どもも保護者も生活の質は大きく変わると思う。一度専門医に相談をしてみてほしい」。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース