厚生労働省は23日の通知で、希少疾病の医薬品の検証的試験について、日本人患者を対象とした臨床試験成績なしに承認申請を行うことが可能な場合を示した。該当するケースとして、▽海外で既に主たる評価の対象となる臨床試験が適切に実施されている▽極めて患者数が少ないこと等により、追加の臨床試験を新たに実施することが困難▽得られている有効性・安全性にかかる情報等から総合的に日本人におけるベネフィットがリスクを上回ると見込まれる――と列挙した。
海外で臨床試験ではなく症例報告やリアルワールドエビデンス等に基づいて既に承認されている医薬品の場合は、海外臨床試験を完了している必要はないとした。
また、致死的な疾患や急速・不可逆的な進行性の疾患等では、患者数に関わらず、日本人の臨床試験なしで承認申請を許容する可能性を示した。
一方、日本人を対象とした臨床試験成績が必要な場合については「医薬品の特性、類薬の状況等から外国人と日本人との間で臨床的に意義のある民族差があり、安全性や用量の適切性について追加情報が必要と判断される場合」を挙げた。
日本人患者を対象とした臨床試験の結果等の提出を承認後に求める場合には、条件付き承認制度の活用を検討する。日本人患者を対象とした臨床試験成績がなく承認申請を行う場合であっても、承認申請と並行して治験を実施し、日本人患者に投与した際の情報を可能な限り集めるよう検討することを求める。