卸から医療機関・薬局への納入価と、卸がメーカーから仕入れた仕切価の差額がマイナスとなる「1次売差マイナス」が2023年度にマイナス2.8ポイントとなったことが、厚生労働省の調査で明らかになった。前年度から0.1ポイント拡大したものの、ほぼ横ばいで推移した。
10日の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会で公表されたもの。卸売業者5社ごとにそれぞれの取り扱い全品目の加重平均値を算出し、さらにその五つの算出値を単純平均した。薬価を100とした場合の仕切価率は96.0%、納入価率は93.2%とそれぞれ0.3ポイント、0.2ポイント上昇した。割戻率は5.9%だった。
4月の仕切価率が前年度より「上昇」したのは3407品目で、全品目のうち25.2%の品目が該当した。理由としては「原材料高騰等の影響を踏まえた対応」が最も多く、1374品目あった。前年度から仕切価率が「同水準」は8897品目とほぼ変わっていない。
「新薬創出等加算品」「特許品」「長期収載品」「後発品」などのカテゴリー別でも仕切価率に大きな変動は見られていない。
割戻しの運用基準の変更状況では、「仕切価に反映可能な割戻しを縮小し、相当分を仕切価に反映」したのが前年度から1社増えて6社となったほか、「卸機能の評価に基づかない割戻しを廃止し、相当分を仕切価に反映」が0社から2社に増えた。
仕切価・割戻しの早期提示も進められており、仕切価では70%が「告示日後3日以内」、割戻しは「告示日以前」が34%と最も多く、「告示日」7%、「告示日後3日以内」31%だった。昨年9月の妥結率は99.5%となった。