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【流改懇】総価値引率使用は不適切-単品単価交渉の解釈示す

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2024年10月16日 AM11:07

厚生労働省は、医療用医薬品の単品単価交渉を推進していく上で、単品単価交渉と「解釈できない場合」「解釈できるか検討が必要な場合」に分けて整理し、10日の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会に示した。単品ごとの交渉であっても総価値引率や全国最低価格に類するベンチマークを用いた交渉を行っている場合は「単品単価交渉とは解釈できない」とした。

一方、チェーングループにおける取引価格の本部一括交渉については、同一グループ施設の地域差や取引条件等を考慮し、品目ごとにその平均額に基づいた価格交渉であれば、「単品単価交渉と解釈できる」との見解を示した。

3月に改訂した医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドラインでは、単品単価交渉について、▽他の医薬品の価格の影響を受けない▽地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえること▽取引先と個別品目ごとに取引価格を決めること――とされている。

厚労省は、あいまいと指摘されていた単品単価交渉の解釈について整理した。単品ごとの交渉であっても総価値引率を用いた交渉や、全国最低価格などのベンチマークを用いた一方的な交渉を行っている場合は「単品単価交渉と解釈できない」と定義した。

具体的には、全品に対して総価値引率を適用し、その値引率に合わせる形で事後的に単品ごとに価格を決定する交渉は「他の医薬品の影響を受けずに単品ごとに交渉しているとは考え難い」とした。

ベンチマークを用いた交渉のうち、配送コストなどの地域差や購入金額、支払条件、返品、急配等の取引条件を考慮していない単価(全国最低価格など)をベンチマークとし、その価格で決定する一方的な交渉については「地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえているとは考え難い」とした。

一方で、チェーングループにおける取引価格の本部一括交渉については「同一グループ施設の地域差や取引条件等を考慮し、品目ごとにその平均額に基づいた価格交渉」、法人格・個人事業主が異なる加盟施設との取引価格の交渉を一括して受託する業者の価格交渉については「加盟施設ごとに地域差や取引条件等を考慮し、加盟施設の確認の下で品目ごとの価格交渉」であれば単品単価交渉と解釈するとした。

厚労省は、単品単価交渉の解釈を示した狙いについて、「価格交渉で根拠がないベンチマークを押しつけるのではなく、交渉プロセスの中で価格を決めるのが大事」と説明。

医療機関側の構成員からは「ここまで定義する必要はあるのか」などの声も出たが、大きな異論はなく、了承された。

 

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