多汗症は敏感肌と関連
汗をかき過ぎる人は肌も敏感であることが多いようだ。原発性多汗症(以下、多汗症)と敏感肌は密接に関係していることが、新たな研究で確認された。米ジョージ・ワシントン大学のAdam Friedman氏と米バージニア工科大学のLiqing Zhang氏らによるこの研究結果は、「Journal of Drugs in Dermatology」に9月30日掲載された。研究グループは、「多汗症と敏感肌との関連を提示し、裏付けた初めての研究だ」と述べている。
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多汗症は、高温下や運動中などの条件下に置かれていなくても、手、足、顔、脇の下などの特定の部位に、体を冷やすために必要な量の4倍の汗をかく疾患である。一方、敏感肌は、熱や汗、スキンケア製品、ストレスにさらされると、肌にかゆみや灼熱感、圧迫感などが生じることを特徴とする。
Friedman氏らは今回、637人の多汗症の人の調査データを用いて、ランダムフォレスト機械学習アルゴリズムによる敏感肌の予測モデルを構築し、多汗症と敏感肌との関連を検討した。対象者の89%が敏感肌であることを報告していた。
解析からは、多汗症と敏感肌の重症度スコアとの間に有意な関連が認められ、多汗症が重症であるほど、敏感肌の重症度も上昇することが示された。また、多汗症が生じる部位として最も多かったのは手のひらであったが、敏感肌は、多汗症が見られる部位と見られない部位の両方で認められた。
さらに、今回の研究では、皮膚科医のケアを求める多汗症の人は、これまで報告されていたよりも多いことも判明した。研究グループは、「この結果は、皮膚科医が多汗症と敏感肌との関連を認識することの重要性を浮き彫りにするものだ」との見方を示している。このほか、多汗症と敏感肌の両方の問題を抱えている人は、敏感肌向けの製品に対して頻繁に反応することを報告していたことも明らかになった。
Friedman氏は、「多汗症の人は、過度の発汗がない部位でも一般の人よりも皮膚が敏感になる可能性が高い」と話す。同氏らは、多汗症に関わる異常な神経信号が敏感肌に関与している可能性があるとの考えを示した上で、「多汗症と敏感肌との関係は、これまで認識されていたよりも複雑である」と述べている。
またFriedman氏らは、「本研究結果は、皮膚科医が患者とより良いパートナーシップを築き、過度の発汗に苦しむ患者の敏感肌を教育・特定・管理し、共通の疾患メカニズムを明らかにして新たな治療法を開発するのに役立つ可能性がある」と結論付けている。
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