ロードマップは、同日に開かれた社会保障審議会医療保険部会で公表された。29年度までの第4期医療費適正化計画基本方針を期中改定し、後発品新目標を盛り込む。
新ロードマップは、使用促進に力点を置いていた旧ロードマップとは異なり、後発品の供給不安問題を踏まえ、「安定供給の確保を基本に後発品を適切に使用していくためのロードマップ」としているのが特徴。
医療関係者が現場で具体的に取り組みやすい観点から、現時点では未達となっている「後発品の数量シェアを全都道府県で80%以上」の旧目標を引き継ぎ、目標達成時期を「23年度末まで」から「29年度末まで」に延長した。
80%達成後も後発品の使用による医療費の適正化を不断に進めていく観点から、新たに後発品の金額シェアを用いた目標を副次目標として設定し、「後発品の金額シェアを29年度末までに65%以上」を目指すことを盛り込んだ。
金額シェアは後発品やバイオシミラーの上市のタイミング、長期収載品との薬価差の状況などの影響を受けることに留意が必要とした。
新目標達成に向けては、的を絞った使用促進を可能とするため、今年度から数量ベースに加え、金額ベースでの薬効分類別等の後発品置き換え率情報を提供するほか、都道府県協議会を中心に金額ベースでの薬効分類別等の後発品置き換え率も参考に後発品の使用促進も行うとしている。
また、後発品の供給状況や医療機関や薬局における使用状況等も踏まえ、診療報酬における後発品の使用にかかる評価について、引き続き中央社会保険医療協議会などで検討する。
目標年度等については、後発品の安定供給の状況等に応じて柔軟に対応し、26年度末をメドに状況を点検する。必要に応じ目標のあり方を検討したい考え。
一方、バイオシミラーについては、「29年度末までに80%以上を占める成分数が全体数の60%以上」との副次目標を置いた。目標達成に向けた普及啓発活動では、バイオシミラーが癌など特定領域での使用が中心であるため、特定の使用者を念頭に置いた取り組みが必要とした。
今年度には、バイオシミラーの一元的な情報提供サイトを構築し、来年度にはバイオシミラーの採否や先行バイオ医薬品からの処方の切り替えを検討する際に必要な情報について、市販後データも含めて整理して公表する予定だ。
また、高額療養費制度の対象となることがあり、自己負担額が変わらず患者にメリットがないことがあるため、保険者インセンティブ制度で保険者によるバイオシミラーの普及啓発にかかる指標の追加を検討することについて、今年度中までに結論を得る。