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リツキサン、難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の適応追加承認-全薬工業と中外

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2024年09月26日 AM09:00

難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、末期腎不全リスクが高く予後不良

(全薬工業)と中外製薬株式会社は9月24日、両社で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「(R)点滴静注100mg、同500mg」[一般名:(遺伝子組換え)](以下「」)について、全薬工業が「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対する適応追加の承認を厚生労働省より取得したと発表した。承認された効能または効果は「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)」。

ネフローゼ症候群は、腎臓を構成するネフロンにおける糸球体スリット膜の障害により高度タンパク尿と低アルブミン血症が生じた結果、全身性浮腫を来す病態の総称である。小児期に発症するネフローゼ症候群は小児の慢性腎疾患で最も頻度の高い原因不明の指定難病で、そのうち約10%~20%は第一選択薬であるステロイド治療で完全寛解が得られない「ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に分類される。「ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対しては、ステロイドパルス療法や免疫抑制薬による寛解導入療法が推奨されるが、これらの治療を行っても寛解が得られない「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」では末期腎不全に至るリスクが高く、予後は不良である。

「リツキサン」、B細胞除去による治療効果が期待される

リツキサンは、造血幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20抗原に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体であり、標的となるB細胞をヒトの体内に備わった免疫系を用いて攻撃し、細胞を傷害する。ネフローゼ症候群の病因や疾患活動性にはB細胞の影響も示唆されており、リツキサンによりB細胞を除去することで、ネフローゼ症候群への治療効果が期待される。

医師主導治験で主要評価項目達成、ステロイド抵抗性を対象に承認追加

リツキサンは、2014年8月に小児期発症の「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)」を効能または効果として承認されている。今回、ステロイド抵抗性を対象に承認を追加で取得した。

リツキサンの「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対する開発では、医師主導治験「小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を対象としたIDEC-C2B8とステロイドパルス療法の併用療法の多施設共同単群臨床試験(JSKDC11)」において、主要評価項目(169日時点の尿タンパククレアチニン比のベースラインからの減少率が50%以上を達成した被験者数)を達成し、全薬工業が2023年12月22日に製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、今回の承認取得に至った。

両社は、難治性のネフローゼ症候群の治療にリツキサンがさらに貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでいく、と述べている。

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