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【東薬大 増井氏ら】半数が患者フォロー未実施-かかりつけ獲得成功例も

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2024年09月25日 AM11:42

薬剤師の半数が薬剤使用期間中の患者フォローアップを行えていない現状が、東京薬科大学社会薬学教育センターの増井良輔氏らが行った調査で明らかになった。管理薬剤師を対象に調査した先行研究では89%の薬剤師がフォローアップを経験済みとの結果が公表されたが、個々の薬剤師を対象とした今回の調査では十分に浸透していない実態が浮き彫りになった。一方、フォローアップを実施した薬剤師に患者との関係性変化を聞いたところ、「患者から相談が来るようになった」や「他院、他科の処方箋を持ってくるようになった」が1~2割程度あり、かかりつけ獲得の好機となっていることも判明した。

調査は、東薬大とくすりの適正使用協議会が実施。過去1カ月間に延べ101人以上に服薬指導を行った薬剤師539人から回答を得た。

その結果、最近1カ月にフォローアップを行った薬剤師は55.3%と半数にとどまった。薬剤師の患者フォローアップを努力義務化する医薬品医療機器等法の改正が2019年12月に行われたが、十分に浸透していない実態が明らかになった。

ただ、実施した薬剤師からは効果を認める声が出ている。フォローアップを実施した薬剤師に、フォローアップ後の患者状態や関係性の変化を聞いたところ、「患者から不安が軽減したと言われた」が33.9%、「服薬状況が改善した」が23.5%に上り、処方後の副作用やアドヒアランス不良の改善につなげていた。

さらに、「患者から相談が来るようになった」が23.2%、「他院・他科の処方箋を持ってくるようになった」が11.1%、「対応した患者の新規のかかりつけ薬剤師になった」が8.4%と、フォローアップを起点に患者との関係性も変化したと回答。フォローアップ時に「副作用症状なし」の患者も25%程度見られており、症状の改善に関わらず、フォローアップを通じて患者の不安を軽減し、新規のかかりつけ患者を獲得していた。

一方、フォローアップの自己評価が高い薬剤師は何らかの資材を活用していることが分かった。「薬局で独自作成した服薬フォローアップ資材」を活用している薬剤師の約8割は「十分に実施できている」「ある程度できている」と答えた。

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