厚生労働省は11日の電子処方箋推進会議で、電子処方箋を運用開始した薬局が1日現在で全体の約45%であることを公表した。一方、病院や医科診療所等では5%を下回ったが、今年度末までに概ね全ての医療機関・薬局で導入完了する目標について「維持した上で、高い目標に向かって進んでいく」との考えを示した。
全国の医療機関・薬局における電子処方箋の普及状況は、3万0609施設(14.6%)で運用開始済み。内訳は、薬局が2万6661施設(44.6%)となった一方、病院153施設(1.9%)、医科診療所3645施設(4.5%)、歯科診療所150施設(0.3%)にとどまった。薬局の規模別では、店舗数300以上で導入率57.5%、店舗数299~100で57.6%だったが、店舗数4以下では30%台にとどまった。
厚労省は、2025年3月末までに概ね全ての医療機関・薬局への導入を目標としているが、「店舗数が少ない薬局でも3分の1以上が運用開始済みで、仮に足下の導入実績が継続すると、年度内にほぼ全ての薬局への導入が見込まれる」と見通した。
田中千尋構成員(日本薬剤師会常務理事)は「情報コードの整合、データの修正や確認作業など、薬局での手間が増加し、五月雨式に追加費用が発生して毎月維持費が出ている」と指摘。診療報酬上の手当も検討するよう求めた。
関口周吉構成員(日本チェーンドラッグストア協会業務執行理事)も「特に在宅患者における調剤後登録に非常に手間がかかり、在宅医療の非効率性に拍車をかけているため、これに対する評価も検討してほしい」と訴えた。