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【厚労省・覆面調査】2割が質問されずに薬購入-専門家関与の重要性示す

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2024年09月09日 AM10:18

厚生労働省は、6日に公表した2023年度「」()の中で、相談を行わずに一般用医薬品(第1類を除く)を購入しようとした際の専門家の対応に関する調査を初めて実施し、「質問等されずに医薬品を購入できた」との回答が22.5%に上ったことを明らかにした。厚労省は「都道府県等と連携して改善指導を徹底すると共に、関係団体に制度の遵守徹底を依頼する」とした。

23年度調査は、3025店舗(薬局1288件、店舗販売業1737件)、インターネット販売サイト500件を対象に実施。このうち、276件(薬局77件、店舗販売業199件)を対象に、第1類を除く一般用医薬品について薬剤師・登録販売者に相談を行わず購入しようとした際の対応に関する調査を初めて実施した。

「薬剤師等がレジ対応した」が163件(59.1%)、「会計等は薬剤師等以外が対応したが、レジで薬剤師等が情報提供した」が44件(15.9%)と全体の75%を占めたが、「質問等されずに医薬品を購入できた」62件(22.5%)、「薬剤師等の説明が必要か聞かれて不要と答えるとそのまま販売してくれた」1件(0.4%)も確認された。

この結果を受け、厚労省は「医薬品の販売制度に関する検討会で専門家の関与のあり方が指摘されたこともあり、意義ある調査」としつつ、「ルールを遵守していない店舗については情報を自治体と共有しているため、連携して事業者への実態確認、改善指導を徹底し、関係団体に制度遵守の徹底を依頼する」との考えを示した。

一方、1256件(薬局189件、店舗販売業1067件)を対象としたエフェドリン、コデインなど6成分で構成する「濫用等の恐れのある医薬品」を複数購入しようとした際の対応についても尋ねた。

その結果、「一つしか購入できなかった」48.6%、「複数必要な理由を伝えたところ購入できた」32.2%を合わせ「販売方法が適切だった」との回答は80.8%と、前年度から4.3ポイント上昇した。

内訳としては、薬局について前年度は調査対象が17件と比較的少数だったために販売方法が適切だった店舗は47.1%にとどまったが、23年度は対象薬局の増加により78.3%まで上昇したこと、店舗販売業も4.4ポイント増の81.3%だったことが影響した。

ネット販売における濫用等の恐れのある医薬品を複数購入しようとした際の対応については、前年度の82.0%から横ばいの82.1%だった。

従来の濫用等の恐れのある医薬品では、コデイン等について鎮咳去痰薬に限定していたが、23年度から限定を解除した影響について、厚労省は「指定範囲の変更により販売ルールの遵守状況に大きな変化は見られなかった。ルールの徹底が必要」との認識を示した。

東京都薬剤師会の和田早也乃常務理事は6日の定例会見で、「指導をしっかり続けていく。法令遵守もそうだが薬物乱用防止の教育も重要」とコメントした。

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