厚生労働省は26日、ラインファーマの経口人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」について、条件付きで無床施設での投与も認めることなどを盛り込んだ使用体制の改正案を薬事審議会医薬品第一部会に示した。異論は出なかったものの、「外科的処置と比べた場合の同剤の位置づけについて情報提供が必要」などの指摘が出たため、審議会でも議論する。審議会の日程は未定だが、方向性が決まった場合、現行の使用体制を改める通知を発出する考え。
同剤は、2023年4月の製造販売承認後、適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間、入院可能な有床施設で母体保護法指定医師による投与に限定し、投与を受けた人は入院してもらうか、外来の場合も院内待機を必須として服薬管理することが求められる。
厚労省は、同剤を含めた人工妊娠中絶に関する実態調査結果を踏まえ、適切な使用体制のあり方に関する改正案を7月の自民党薬事に関する小委員会で示していたが、専門家の意見を聞くため、この日の部会でも改正案について議論した。
改正案では、施設要件として、現行の入院可能な有床施設から「原則入院可能な有床施設」に改め、緊急連絡体制の確保や入院可能な有床施設との連携が可能など、緊急時に適切な対応が可能な場合は無床診療所での投与も可能とした。
改正案に特段の異論はなかったものの、外科的処置と比べた際の同剤の位置づけに関する情報提供の必要性を訴える声が上がった。また、2剤目を投与された人については、投与された医療機関から居住地が16km以内等の要件を満たした場合に帰宅できるが、万が一を考慮し、帰宅手段を事前確認する必要があるとの指摘も出た。
これら意見を踏まえ、厚労省は審議会でも議論が必要と判断した。