認定要綱案は、寄せられる意見を踏まえ、新制度の公布と合わせて来年7月に公表される予定だ。新制度では現行のMR認定試験はなくなる。MR基礎試験の合格証と、企業が実施する実務教育(導入研修)の修了認定のいずれも揃うことで初めてMR認定証が交付される仕組みになる。基礎教育と実務教育を切り離した「2階建て」方式となる。
MR基礎試験は、受験資格をなくし、「医薬品情報」「疾病と治療」「医薬品産業と倫理・法規・制度」の科目に、年複数回のCBT方式で実施する。センターに有資格者(医師・歯科医師・薬剤師)として登録された者は「医薬品産業と倫理・法規・制度」の科目合格で試験合格とする。
26年には1回目が6月27日~7月5日、2回目が11月7~15日の予定で、全国280の会場で実施する予定だ。今後、運営の詳細を詰める。
企業が行う実務教育は、「倫理」「安全管理」「技能」のほか企業が必要とする科目について、センターが3月に策定した実務教育認定基準と企業独自の基準に基づく評価を行った上で修了認定を行う。
実務教育(導入研修、継続研修)では、実務教育認定基準が肝となる。現行では企業側に委ねられ、企業ごとに研修内容などにバラツキがあるため、認定の公平性・公正性を担保するために定めたもの。「倫理」「安全管理」についてSBO(到達・行動目標)、行動要件、行動項目を明確化し、それに沿って企業が研修を計画・実施し、行動項目が具体的にできるかを成果確認する運びとなる。詳細については10月10日の教育研究者会議で同センターは解説書を配布する予定にしている。
同センターの近澤洋平専務理事・事務局長は、新制度について、自覚と責任を持って医療関係者・社会に信頼される行動に移すMRを「企業とセンターが一体となって認定するものにしたい」と語った。