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最適な運動強度を個人の運動データから調整するシステムを開発-兵庫県立大学ほか

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2024年08月21日 AM09:20

運動強度を個人ごとに常に最適化して調整するためには?

兵庫県立大学は8月15日、個人ごとに最適な運動を提供する新しい制御技術を開発したと発表した。この研究は、同大大学院工学研究科・大学院環境人間学研究科・先端医療工学研究所、三菱電機エンジニアリング株式会社、コスタリカ大学の共同研究グループによるもの。研究成果は、「Scientific Reports」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

Well-being実現のためには、Quality-of-Life(QOL)の向上が求められるが、超高齢社会においては健康寿命の延伸が不可欠である。健康寿命の延伸は個人の幸福に資するほか、医療費抑制にもつながることから社会にとっても望ましいが、そのためには適切な強度で運動を行う必要がある。

運動強度の指標として心拍数が用いられている。心拍数を適切に上昇させるように運動すればよいが、無理なく安全に心拍数を上昇させるためには、運動強度を常に適切に調整しなければならない。このためには、心拍数のフィードバック制御が有効であるが、運動強度に応じた心拍数上昇は個人ごとに大きく異なるため、個人ごとに制御方法を調整する必要がある。このような調整方法の必要性は広く知られていたが、これまで有効かつ容易に利用する方法は提案されていなかった。

運動強度の調整方法を個人の運動データから決定する手法を開発

今回研究グループは、個人の特性に応じて必要な運動強度を提供するため、個人ごとに運動強度を調整するシステムを開発した。開発したシステムでは、運動強度を調整する制御方法を個人の運動データから決定する。この方法はデータ駆動制御と呼ばれ、従来のモデルベース法に比べて制御方法の決定プロセスが単純化され、かつ、性能向上が期待できる。

安静時から心拍数を上昇させる検証実験を20~50代男女の健常者を対象に実施したところ、約40%の性能向上が確認できた。また、この実験では、最終的な心拍数へ至る過渡応答と呼ばれる時間変化に伴う状態も含めて安全に制御ができることも確認できた。

医療機関でのリハビリテーション等へ応用に期待

今回の研究では、健常者が安静時を初期状態として、軽く汗をかく程度までの運動実験を行ったが、急激な強度上昇が必要なアスリート向けの激しい運動を過不足なく実現することも可能であると考えられ、スポーツ科学分野での検証が期待される。「アスリート向けとは真逆に、非常に緩やかな強度上昇のみが許される医療機関におけるリハビリテーション等へ応用し、医療の質を広範囲に向上させることも目指す」と、研究グループは述べている。

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