多くの管がつながる患者でチューブの閉塞、ラインの誤認識トラブルなどの課題
岡山大学は7月31日、点滴チューブの絡まりや落下を防止するツール「チューブセパレーター」を開発したと発表した。この開発は、同大病院医療技術部(臨床工学部門)の落葉佑昌臨床工学技士、タキゲン製造株式会社が共同で実施したもの。製品は7月19日から発売されている。
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医療機関における集中治療室や救命救急センターでは、重症患者の管理のため点滴チューブなど非常に多くの管(ライン)が使用されているが、チューブが閉塞(へいそく)して正確に薬剤を投薬できないことや、ラインの誤認識によるトラブルが起きやすい、チューブ交換や患者移動時に時間がかかるといった問題があった。そのため、患者の管理を主に担っている看護師は、こうした問題が起こらないよう点滴チューブを整理するために多くの時間を費やしていることが長年の課題となっていた。
簡単取り付け、金属不使用でMRIなどの検査時にも使用可
開発したチューブセパレーターは、点滴チューブをスポンジの切れ目に挟むだけでラインを整理でき絡まりを防止できる。また、三方活弁(薬液の流路を調節するコック)の落下を防止できる保持力があり、樹脂製で金属不使用のためMRIなどの検査時にも使用可能だ。面ファスナーで固定できるので取り付けが簡単であり、患者が激しく動いたときは製品ごとベッド柵から外れる構造で抜針を防止できる仕様になっている。面ファスナーに接着剤が付いており、すぐに使用することができる。
「実際に使用した看護師からは、ベッド柵やベッド上のチューブの絡まりが減少し、とても便利と好評だった。製品の開発により、集中治療室や救命救急現場での患者の安全の向上や医療従事者の負担軽減に貢献できることが期待される」と、開発グループは述べている。
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・岡山大学 プレスリリース