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同じ朝の光景でも「朝型の人」と「夜型の人」では見え方が異なる-国際高専ほか

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2024年07月31日 AM09:20

HDRからSDRに変換した画像、日中いつ撮影されたかの感じ方は皆同じ?

国際高等専門学校は7月23日、同じだと思われていた朝の見え方が生活パターン()の影響で大きく異なることを世界で初めて発見したと発表した。この研究は、同校の大塚作一教授、鹿児島天文館メディカルカレッジの岩井田早紀氏、 鹿児島大学の折田裕一朗氏、 比良祥子氏、鹿嶋雅之氏の研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of the SOCIETY for INFORMATION DISPLAY」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

現実世界の明暗コントラストをそのまま再現するには、普段目にする標準的(SDR:Standard Dynamic Range)な映像や写真で表現できる限界を超えたHDR(High Dynamic Range)が必要だ。研究グループは、人間の感性に合わせて自然でリアルな描写を保ったままHDRで撮影された画像をSDRに変換する新たな方法を開発し、変換後の写真を被験者に見せることで、それぞれの写真が日中のどの時刻に撮影されたと感じるのか調べた。

朝型は「メリハリのある写真」を、夜型は「全体に明るく白っぽい写真」を朝と感じる

その結果、同じ風景でも朝型の人はメリハリのある写真(コントラストを上げ、輝度を下げた写真)を朝と感じるのに対して、夜型の人は全体に明るく白っぽい写真(輝度を上げ、コントラストを下げた写真)を朝だと感じることがわかった。なお、夜型には早朝に起床してもそのまま室内で過ごす人も含まれる(本人は朝型と意識されているがことが多い)。

脳内の一次視覚野に入る前段階に制御機構が存在する可能性

月明かりの夜では、人は身の安全を図るため、暗いところも視認できるよう視覚の感度とダイナミックレンジをともに上げ、コントラストを下げて見ているとされている。夜型の人は夜の状態を残してコントラストを下げたまま午前を迎え、午後はコントラストを少し高めた状態で外界を見るのに対して、朝型の人は朝、日光を浴びることで暗く不必要な情報を目に入いれない、メリハリのある見え方に切り替え、午後になると再び、夜に備えて徐々にコントラストを下げていくことがわかった。

また、一定条件下では目を動かしても明るさの感覚が変化しないことから、この制御機構は脳内の一次視覚野に入る前段階に存在する可能性が高いことも明らかになった。

概日リズムが視覚に与える影響の総合的な解明と応用に向けた学際的研究に期待

「今朝は桜の花が青空に映えてとても清々しいですね、と当たり前のように交わされていた会話も実は人によって朝の感じ方が大きく異なることを示唆している。コントラストを自動的に変えることで、それぞれの人にあった朝の見え方を表示する次世代ディスプレイの開発に応用できるものとして期待される。また、概日リズムが視覚に与える影響の総合的な解明と応用には医学・生物学・照明学・建築学などの学際的研究が待たれる」と、研究グループは述べている。

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