厚生労働省の医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議は26日、プロトンポンプ阻害薬(PPI)4成分のスイッチOTC化に向け、パブリックコメントを踏まえ検討会議での議論案を了承した。OTC化を支持する内容となっており、薬事審議会要指導・一般用医薬品部会に検討会議としての意見を提出し、そこでスイッチOTC化の可否に関する審議が行われる見通しだ。
スイッチOTC化の候補成分はエソメプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾール。6月に実施したパブリックコメントで集まった13件中12件がOTC化に賛成する意見となった。
検討会議での議論案では、スイッチOTC化のニーズについて「PPIのスイッチOTC化は医療資源の有効活用の観点、セルフメディケーションの選択肢拡大の観点より有益」「逆流性食道炎の患者が多くいるため、PPIを市販化することでセルフメディケーションにつながる」と評価した。
また、「長期服用により重篤な副作用の発現リスクが高まり、癌の症状をマスクする可能性がある」とのリスクへの対応策では、「『胃のお悩み症状相談用ガイド』に基づいて、薬剤師から使用者に短期使用を徹底することでOTC化は十分可能」とした。
用量・用法については、「2週間程度の短期の使用に限定するのであれば、安全性のリスクがかなり低いと考えられるため、医療用の用量と同一の用量を設定することが適切」との考え方も盛り込んだ。
検討会議では、構成員から特に異論は出なかった。