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COVID-19罹患後症状、パンデミック真っ只中の時期に比べ発症リスクが大幅低下

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2024年07月29日 PM02:15

Long COVIDの発症リスクは経時的に低下

(COVID-19)の罹患後症状()の発症リスクは、パンデミック真っ只中の時期に比べると現在では大幅に低くなっていることが、新たな研究で明らかになった。このリスク低下には、新型コロナウイルスの変異とともにワクチン接種の効果も関係していることが示されたという。米ワシントン大学の臨床疫学者であり、COVID-19研究の専門家であるZiyad Al-Aly氏らによるこの研究は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に7月17日掲載された。


画像提供HealthDay

Al-Aly氏は、「long COVIDの罹患率が低下しつつあることを示したこの研究結果は、新型コロナウイルスに関して明るいニュースを報告できる滅多にない機会となった。これらの結果は、ワクチン接種の有効性を明示するものでもある」と話している。

この研究では、COVID-19罹患者と非罹患者を1年間追跡し、デルタ株流行前、デルタ株流行期、オミクロン株流行期の3つの期間におけるlong COVIDの発症リスクや負荷の大きさが比較検討された。対象者は、米国退役軍人省の健康記録から抽出された、2020年3月1日から2022年1月31日の間にCOVID-19に罹患した44万1,583人と、COVID-19非罹患者474万8,504人(対照)であった。COVID-19罹患者は、変異株の流行期とワクチン接種状況に応じて、デルタ株流行前に罹患した20万6,011人、デルタ株流行期に罹患したワクチン未接種者5万4,002人とワクチン接種者5万6,260人、オミクロン株流行期に罹患したワクチン未接種者4万367人とワクチン接種者8万4,943人の5群に分類された。対照者は、デルタ株流行前の230万313人、デルタ株流行期の117万4,003人、オミクロン株流行期の127万4,188人で構成されていた。

その結果、ワクチン未接種者の中での罹患後1年間におけるlong COVIDの累積罹患率(100人当たり)は、デルタ株流行期前で10.42人、デルタ株流行期で9.51件、オミクロン株流行期で7.76件であり、変異株が出現するごとに罹患率は低下していることが明らかになった。同様の傾向はワクチン接種者の間でも見られ、罹患後1年間におけるlong COVIDの累積罹患率(100人当たり)は、デルタ株流行期で5.34件、オミクロン株流行期で3.50件であった。また、ワクチン接種者と未接種者を比較すると、接種者の方がlong COVIDの累積罹患率が低いことも示された(両群の差は、デルタ株流行期で−4.18件、オミクロン株流行期で−4.26件)。

Al-Aly氏は、「デルタ株流行期とオミクロン株流行期では、ワクチン接種者と未接種者との間に明確な有意差が認められた。つまり、COVID-19はたいした病気ではないと考えてワクチン接種を見送る人は、実質的には自身のlong COVIDの発症リスクを2倍にしていることになる」と話している。同氏はまた、long COVIDの現在の発症リスク(3.5%)がいまだにかなり高いことを指摘し、「ワクチン接種者100人中3〜4人がlong COVIDを発症するということだ。再感染も含めた新型コロナウイルス感染者の多さを考慮すると、非常に多くの人に影響を及ぼしていることになる。このリスクは軽視できるものではなく、世界中ですでに非常に大きな健康問題となっているlong COVIDの問題をさらに増大させるだろう」と話している。

またAl-Aly氏は、「一般に、新型コロナウイルスは均質だと考えられがちだが、それぞれの変異型には独自の特徴がある。オリジナル株は呼吸器系を攻撃の標的としていたが、オミクロン株の標的は代謝系と消化器系だった。また、long COVIDのリスクは定量的には低いものの、変異株が標的とする体の部位によって発症リスクが上昇する可能性もある」と述べている。なお、本研究は、米国退役軍人省から資金援助を受けて実施された。(HealthDay News 2024年7月18日)

▼外部リンク
Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection in the Pre-Delta, Delta, and Omicron Eras

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