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オルツビーオ、血友病A小児P3試験で高い凝固因子活性を維持-仏サノフィ

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2024年07月29日 AM09:20

日本で販売中、週1回投与の高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤

仏サノフィ社は7月17日、(R)(一般名:(遺伝子組換え))について、海外第3相試験XTEND-Kidsで12歳未満の血友病A患者への週1回投与で高い凝固因子活性を維持し、有効性・安全性と薬物動態が示されたと発表した。研究成果は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)」に掲載されている。

オルツビーオは、新しいクラスの高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤で、血友病Aの成人および小児患者において週1回の定期補充療法、出血時投与や、周術期管理に用いる医薬品として承認されている。成人患者と青年患者における同剤の半減期は、従来の半減期標準型製剤や半減期延長型製剤と比べて3~4倍長く、その活性を正常~ほぼ正常範囲に高く長く維持することができる。そのため、週1回の投与が可能だ。先行世代の第VIII因子製剤の半減期は、フォン・ヴィレブランド因子の半減期に依存するが、同剤はこの制限を受けないことが明らかになっている初の第VIII因子製剤である。

同剤は現在、米国、台湾および日本で承認され、販売されている。また、2024年6月17日、欧州委員会が同剤を血友病A患者の出血の治療および抑制と周術期予防を適応症として、ALTUVOCTの製品名で承認した。同剤は第VIII因子製剤としては初めて、米国食品医薬品局(FDA)より2022年5月にブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定、2021年2月にファストトラック指定、2017年8月にオーファンドラッグ指定を受けた。欧州委員会は、2019年6月に同剤をオーファンドラッグに指定した。

治療経験あり12歳未満重症血友病A対象の非盲検非無作為化介入試験

XTEND-Kids試験(NCT04759131)は、非盲検非無作為化介入試験で、治療経験がある12歳未満の重症血友病Aの患者を対象にオルツビーオの週1回投与を行った。試験に参加した患者(n=74)は、同剤の週1回投与(50 IU/kg)による定期補充療法を52週間受けた。主要評価項目は、第VIII因子インヒビターの出現とした。副次評価項目は、治療を要した出血の年間発生率(ABR)、出血に対する治療、関節の健康状態、生活の質(QOL)、周術期管理、薬物動態と安全性などだった。

オルツビーオ毎週投与の小児患者82%では関節内出血発生「0」

今回発表されたXTEND-Kids 試験の結果、オルツビーオは、主要評価項目である第VIII因子インヒビターの発現した症例はなかった(0%[95%信頼区間(CI)]0-5)。副次評価項目の年間出血率(ABR)では、オルツビーオの投与により、試験計画に従って治療を受けた患者73人における年間出血率(ABR)の中央値は0.00(四分位範囲[IQR]:0.00-1.02)、ABRの推定平均値(95%CI)は0.61(0.42–0.90)だった。小児患者では、凝固因子濃縮製剤の血液からの消失速度は成人より高く、半減期標準型(SHL)や半減期延長型(EHL)の製剤では、多くの場合、週に2~4回の投与が必要となる。人生を通じて関節を健康に保つには、あらゆる関節内出血を抑制することが重要だ。オルツビーオの毎週投与を受けた小児患者の82%では関節内出血の発生回数が0回で、同剤の週1回の定期補充療法で関節の健康状態が長期間にわたり守られる可能性を示した。

なお、小児患者における同剤の忍容性は良好で、有害事象により投与中止に至った患者はいなかった。高頻度(>10%)で現れた試験治療下で発現した有害事象は、SARS-CoV-2検査陽性、上気道感染と発熱だった。重篤なアレルギー反応、アナフィラキシーや、塞栓性または血栓性の有害事象の報告はなかった。

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