岩月氏は、「医薬品供給不足が中間年改定だけで起きているとは思わないが、大きな要因」と指摘。「中間年で改定を実施したら、2年間下がる薬価が均等に1年で下がるというのは間違いで、最初の1年で下がってしまう」と述べた。
その上で、「薬価差益を利益として捉えるのは大きな間違いなので、薬価改定を行うことには反対はしていない。それを毎年やるのは弊害なのでやめてくれと言っている。(毎年薬価改定の問題は)薬価差益を利益にしているという状況とは違う」とも語った。
日薬は、安定的な医薬品提供体制の確保に向け、薬価差益に依らない医療財源確保による予算措置を求めている。岩月氏は「財源を薬価差益に依らないのは正論だと思うが、薬剤師会が主体となって先頭に立って言うかというとそうではなく、業界全体で財源問題は十分に協議をした上で厚生労働省や財務省に言わなければならない」と述べ、国の議論に参画していきたい考えを示した。
一方、10月に長期収載品の選定療養がスタートすることを受け、厚労省が12日に、医師が長期収載品を処方する医療上の必要性があると判断した場合に、薬剤師から医師への疑義照会が必要になる場合、そうでない場合などを例示した事務連絡を発出した。
岩月氏は、「後発品と先発品の差額を患者さんからいただくのは初めてで、説明する薬剤師もそうだが、説明を聞いて了解する患者さんも初めてになる。ルールとして分かっていても納得がいくかどうかは別の問題。丁寧に説明を求めるしかない」と述べた。
薬剤師に高度な判断が求められるが、「患者さんごとに状況が違うのでひな形を作るのは難しい。現場で了解をもらえるよう説明し、分かりやすく説明する能力が薬剤師に求められていることを理解するしかない」との考えを示した。
6月30日の定時総会で会長に就任してから約2週間が経過したが、「日薬の会長は想像以上に大変だと思った。会長という肩書が様々なところに反映しているということが、着任前までは思ってもみなかった」との思いを吐露。
「初めて開いた理事会では意見交換して、これを続けていれば意思疎通が図れると思ったし、皆さんもやる気に燃えている。頑張ってやってくれるという手応えを感じている」と語った。