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【薬局機能検討会】健サポ薬局、地域の相談役に-多職種連携で健康増進支援

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2024年07月22日 AM10:31

厚生労働省は、、健康サポート薬局の機能・役割に関する議論の整理案を19日の「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」に示した。健康サポート薬局は、行政や地域内の薬局・医療機関、地域包括センター、訪問看護ステーションなど関係機関との連携を前提とし、地域の中で地域住民の健康・介護等に関する相談役の一つとなることを役割に挙げた。地域包括ケアシステム下で、薬局だけでは解決できない健康・介護相談については、かかりつけ薬局が地域住民に行政や地域包括センターなど関係機関を紹介し、健康の維持・増進を積極的に支援できるようにする。

議論の整理案は、前回の会合から構成員の意見を踏まえ修正したもの。地域における薬剤師・薬局の役割については、「個々の薬局に必要な機能」と「地域・拠点で確保すべき機能」で整理し、地域・拠点で確保すべき機能のうち健康・介護相談対応を行う薬局を「健康サポート薬局」とした。

処方箋を持たない地域住民への相談対応が求められるとし、行政や地域包括センター、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所などの関係機関、多職種と連携した対応を前提に、「セルフケア・セルフメディケーションに関する相談や受診勧奨のみならず、薬局だけでは解決できないことについて関係機関の紹介などの対応ができること」を明記。地域住民向けの健康サポートの取り組みなど行政との連携を通じて必要な機関につなげる機能を明確にし、通常の薬局と差異化を図る。

整理案に対して構成員からは異論は出なかったが、健康サポート薬局の認知度の低さから、「健康サポート薬局自らが地域住民にサービス内容を発信していかなければ、健康相談などの利用が進まない」などの意見が上がった。

一方、主に在宅対応を行う地域連携薬局は、薬局間連携が可能で地域の医療機関などと連携した対応を前提とするなど、地域医療におけるハブ機能やネットワーク機能を持つ薬局を拠点としたい考え。

その役割については、▽入退院時の医療機関等との情報連携や、在宅医療等に地域の薬局と連携しながら一元的・継続的に対応すること▽地域の実状に応じて輪番制に参加するなど外来患者への夜間・休日対応を実施すること▽在宅対応の実施に加え、地域の薬局が対応できない場合に、それらの薬局と連携して対応すること――などを挙げた。

また、前回の整理案から地域連携薬局の必須機能として追加したのが「医療用の麻薬調剤の対応」。地域内で体制構築が必要な「ターミナルケア対応」「無菌製剤処理」の二つについては必須機能ではないものの、追加的な機能として実施可能な薬局が必要とした。中でも無菌製剤処理は対応できる薬局がない地域も多く、「地域連携薬局以外の薬局を含め、地域の実状に応じた体制構築が必要」とした。

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