調剤における医療DX推進体制整備加算については現在、調剤基本料(処方箋受付1回につき)として、月1回に限り4点の加算を認めている。今回の評価見直しにより、マイナ保険証の利用実績やマイナポータルの医療情報に基づく患者からの健康管理に関する相談対応に応じて、同加算を1~3の区分に分けた上で、加算1を7点、加算2を6点、加算3を4点に設定する。
加算1の要件として、マイナ保険証の利用について「十分な実績」を有し、マイナポータルの医療情報等に基づいて患者からの健康管理に関する相談に応じていることを求めた。加算2では、健康管理について相談に応じると共に、マイナ保険証の利用について「必要な実績」を持っていること、加算3ではマイナ保険証の利用に関する実績を有していることが必要としている。
また、加算1~3の算定に求められる具体的なマイナ保険証の利用率として、今年10~12月については、加算1で15%、加算2で10%、加算3で5%としたが、来年1月からはそれぞれ30%、20%、10%が必要となる。
一方、現行の医療情報取得加算では、マイナ保険証による資格確認により薬剤情報等を取得できなかった場合(健康保険証による確認)は同加算1として6カ月に1回に限り3点を加算でき、マイナ保険証により薬剤情報等を取得できた場合は、同加算2として1点を加算できる。
12月2日に健康保険証の発行が終了してマイナ保険証を基本とする仕組みに移行することを踏まえ、加算の点数差に関する見直しを実施する。12カ月に1回に限り、1点を加算できる仕組みに変更し、12月1日から適用する。
答申取りまとめを踏まえ、支払側を代表して松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「患者が医療DXによるメリットを実感できるようマイナ保険証のさらなる利用推進が重要で、次回改定に向けて医療情報取得加算の廃止について改めて議論すべき」と訴えた。
診療側代表の長島公之委員(日本医師会常任理事)も「マイナ保険証の利用促進が薬局や医療機関だけの責務とならないよう、国と保険者も全力で保険証以外の取り組みも進めてほしい」と求めた。
答申の提出を受けた塩崎彰久厚生労働大臣政務官は、「医療DX推進の観点から重要な見直しが盛り込まれた。速やかに告示と周知の準備を行いたい」と述べた。